エベレストトレッキング19日目(Zongla→Dragnag)最大の難所5400mのチョラパス越え!

おだやんです!

シバラヤから出発し16日かけてカラパタールとエベレストベースキャンプまでトレッキングしてきたおだやんとちょく。

いよいよこの日はコース最大の難所、5400mの峠・チョラパスを越える日。

かりんとう

【Day19】12月7日(晴れ)Zongla(4830m)→Cho La(5420m)→Dragnag(4690m)

朝5時半、目覚ましアラームで起きた。

この日は朝早く出発しなきゃいけない理由があった。それは最大の難所と言われる峠・チョラパスを越えるため。ちょくが付いてこれるか、朝から不安だ。

寝袋の中は暖かいけど、ベッドから出ると凍えるほど寒い!

昨夜枕元に置いておいたお湯はまだ温かかった。

暗いリビングではすでにご主人が朝ごはんを作ってくれていた。

急いでオムレツを胃袋に詰める。

ここぞ!という時のために2つだけ持ってきていた伊右衛門のティーバッグを開ける。

今日はカラパタールやエベレスト.B.Cの時よりも気を引き締めて臨まなきゃいけない。だから馴れ親しんだ緑茶でせめた朝だけでもリラックスしよう。

「爺さんや、やっぱり日本人は緑茶に限るねぇ〜」

よくちょくは婆さんごっこを始める。桃太郎にでも憧れてるんだろうか・・・

「そんな事よりも急いで出発するぞ、婆さん!」

朝ごはんの後、爺さんと婆さんは急いでパッキングを終わらせた。

6:30に出発!

宿を出て振り返ると驚いた。

山と呼ぶには失礼に感じるほどの巨大な岩の塊が静かに鎮座していた。

朝の静寂の中で見る、朝日に照らされた山はいつ見ても感動する。

日の出を迎えていても、まだ村に日の光は届いておらずものすごく寒くて手足が痛くなる。

早く太陽の光を浴びたい!太陽が当たるところまで急いで登る。

いや〜温かい・・・太陽の温かさをこれほどありがたいと感じたのは生まれて初めてかもしれない。

それにしても後ろに見えるこの山・チョラ・ツェ(6335m)は本当に綺麗。

エベレストが男性的な見た目で"一目見れば良いかな…"と思える山だとしたら、こっちは女性的な美しさがあって何度も見とれてしまう。

30分進むと開けた場所に出た。

ここから見えるどれかがチョラパスなんだろうけど、地図が大きすぎて細かい山の等高線が書かれていない。まあ歩けば分かると思い歩き続ける。

朝元の小川は凍りついていた。

トレッキング中って退屈だからスケートみたいにして遊んでみる。

しばらく進むと、遠くにテントらしきものがいくつか見えた。

こんな絶景を独占しながらテント泊なんて羨ましい!

どんな人が泊まってるのか見てみることに。

あれ・・・あのカラフルなウエアはまさか・・・

まさか・・・

この人は・・・

おばちゃんズのガイド!サティスさん!

日本語が堪能なサティスさんは芸人なみに面白い。朝から元気をわけてもらう。

そうか、このテント群はおばちゃんズのテントだったのか!

おばちゃんズにもご挨拶!

すっげえ元気。20代の我々より元気ってどういうことなんだろう。

おばちゃんズは本当に優しい人たちで、おやつにかりんとうをわけてくれた(前回はロブチェで抹茶ようかんもいただいている)。そしてコックさんから挽きたてコーヒーまでいただいてしまった・・・ありがたや〜

まさか、こんな所でかりんとうが食べられるとは・・というかかりんとうをトレッキングに持ってきていること自体に驚いた。

かりんとうを食べてると、ポーター達がおばちゃんズの元へ何かを運んできた。

これ、実はおばちゃんズたちの洗顔用のお湯

ロッジ泊の時に出てくるとは聞いていたけど、テント泊でもお湯が出るなんて、このツアー豪華すぎる・・

ちなみにおばちゃんズが言うには、この場所は夜、星が本当に綺麗に見えるんだそう。羨ましい・・

おばちゃんズと同じツアーに参加したいと思ったそこのあなた!こちらのニレカアドベンチャーズHPから申し込みができます。ガイドのサティスさんは日本語が堪能で、日本食が作れるコックさんも同行してくれます。金額はここでは言えませんが、例えるならフルサイズの一眼レフとレンズが買えるくらいの金額くらい。俺は聞いた瞬間「安い」と思ってしまいました。特にお金と時間に余裕のある定年を迎えた方にオススメです!

おばちゃんズと少しおしゃべりをして、お礼を言って別れた。我々はいつもおばちゃんズチームに助けられてる気がする・・

身も心もヒヤヒヤする難所・チョラパスへ!

いよいよチョラパスへと向かう。

近くに見えるんだけど結構遠い。

それにしてもどれがチョラパスなんだろうか・・・

後ろをみるとこんな景色。遠くに3人組が歩いてきてるのが見えた。宿で一緒だったインド人とオランダ人のトレッカーに違いない。

岩清水が氷柱になっていた。ポキっと折って遊ぶんだり、食べたりしてみる。こんなことをしているから進むのが遅いんだろうな。

峠の登り口に近くに連れて徐々に登りになっていく。

ちょくの表情は、変顔をしているのか本当に疲れているのか分かりにくい。

疲れ顔にハマっているようで、終始この顔でふざけていた。

「俺はチョラパスを越える!」

「チョラパスはそっちの方角じゃないと思うよ」

これがチョラパスの登り始めだった。

俺の後ろ姿。ここからは杖を使わないのでカバンに刺した。

大きさの基準となる木や建物がないから距離感が掴めず、前を見ても後ろを見てもなかなか進んでる実感が湧かない。

ポーターに追い越される。

これを登るのか・・

あれ?でもこれだけ?これ登ればチョラパス越えたことになるの?意外に楽そうじゃないか!

下から見た斜面。

人が点に見えるほど長い登り。

遠くから見たら傾斜はそうでもないんだけど、近くで見上げたら結構急だった。

あまりの急斜面に絶望するちょく。

頑張って登っていく。

トレッキングというか岩登りみたいになってきた。

半分登って喜ぶちょく。

登り終了か!と思ったらまだ先があった。

ようやく岩登りを終えて休憩。あれ?チョラパスってこんなに楽なの?!誰だ過酷なんて言ったのは!

「俺はやってやったぜ!チョラパス攻略!」と喜ぶちょく。調子に乗ると第一人称が「俺」になるのはなぜなんだろう。

記念に2ショット。

「んふふ〜♫今日は余裕だな〜んふふ〜♫

頑張ったご褒美にスニッカーズを食べながら休憩。

さて先に進むとしよう。あとは少し登って下ってさっさと今日の行程を終えてしまおう!

そう思うながら先へ進むと・・・

え??!!

まだ先があるの?!?!

 

不安になりながら歩みを進める。

なんだこの道は!

めっちゃ登りじゃないか!半分氷ってるし。

さっきの場所でチョラパスが終わりなんて思っていたもんだから、この時の絶望感たるや相当なものだった。

滑落したら軽傷じゃ済まなそうだな・・

尖った岩と氷ですごく歩きにくい。

氷の上を歩くんだけど、アイゼン(靴に装着するかぎ爪)なんて持ってないからたまに滑ってヒヤっとする。

日陰に入るとものすごくさむい。もうとっくに5000mは越えている気がする。

ここから道はさらに険しく、ツルツルになっていく。一歩一歩確かめながら歩いた。

そんな中、後ろからおばちゃんズのポーターやコックたちが追いついてきた。

かなり重たい荷物を担いでいるのにスニーカーに近い靴で氷の上をピョンピョン進んでいく。

な、なんなの・・この民族・・

彼らはあっという間に去って行った。

斜面は大きな岩を除くとツルツルに凍っていて、ここで滑るとずっと下まで滑落しそうで怖い。

途中でインド人トレッカーたちに追い越された。

 

そして少し進むと、とんでもないものが目に飛び込んできた。

 

え??

CGかな?

 

とんでもない道にビビるちょく。俺はアイゼンなしでも大丈夫なんだけど、ちょくが登れるか心配で仕方がない。でも時間がかかってもいいからとにかく慎重に進もう。

アイゼンがない代わりに杖を使う。足2本だけよりも滑るリスクは減るから少しはマシになった。

ちょくがヒイヒイ言っている。声には出さずとも、ビビり具合がひしひしと伝わってきた。

ようやく雪と氷の斜面の下にたどり着いた。よく見るとロープが貼られている。

ロープがあることの喜びよりも、この支点がいつかほどけてしまうのではという不安の方が大きかった。

上を見るとインド人青年のアルビンがヒイヒイ言いながら登っていた。

「俺20代で死にたくないよ!」

「50代の俺でも登れたんだから大丈夫!」

泣き言を言うアルビンにオランダ人のイオが励ます。

 

ロープの感じからして1度に2人しか使えない。

「俺先に進んでどこに足置けばいいか上から指示するからね!あとロープに頼り切ったら危ないから体重はかけないように!」とちょくに伝えて俺は先に登り始めた。

そしてちょくの番。多分泣きたいくらい怖いハズなのに、頑張ってる。

「う〜怖いよ・・怖いよ・・・死にたくないよ・・」

「ゆっくりでいいから!足元に集中して!」

少しずつ登ってくるちょく。

そして無事に平らな部分まで登り切った。

二人して安堵のため息をついた。

上から見たらいかに急斜面か見てとれる。

なんとかその場にいたトレッカー5人とも無事、難所をクリア!

「ちょー怖かったぜ・・」なんて言いながら歩くインド人。インド人って何やってもカッコイイよね。

氷の斜面を横に突っ切る形で進む。

ついに氷の道が終わり、頂上への最後の登り。

これを登れば峠の頂上!

ちょく!もう少しだから頑張って!

それにしてもよくこんな峠を登って来れたな。何がすごいってちょくが登れたことがすごい!

そして12時ちょうど、チョラパスの頂上に出た。標高は5420m、もはや峠なんていうレベルじゃないけど。

あとは下るのみ!

2ショットは相変わらず、ビッグダディとその子どもにしか見えない。

協力し合った5人で記念写真!

左からオランダ人イオ・インド人プラビン・ちょく・おだやん(上)・インド人アルビン(下)

みんなありがとう!

まさかのヌードル

頂上で少し休憩して再び出発する。

頂上からの下りもゴツゴツしていて結構大変。

下ってきた岩場を見上げるとこんな急斜面だった。

そして道の先には・・・

おばちゃんズのポーターたちはすでに次のキャンプ地でテントを貼り終えていた。テントがあれば次の宿がある村まで必死に歩かなくてもいいから楽でいいなぁ。

それにしても我々よりも後に出発して追い抜いて、もうテントを設営し終わってるなんて・・・何なんだこの民族は!

 

さて、テントサイトで皆さんに挨拶をするやいなやポーターさんが何か持ってきてくれた。

「さあ、ヌードルをお食べ」

まさかのヌードルのおすそ分けをいただく。

「え?いいんですか?(スッ)」

「本当にいいんですか?!(パク)」

「(全部食べて)本当にいいんですか?」

ロブチェでの抹茶ようかんにコーヒー、峠の手前ではかりんとうにコーヒーに続き、今後はスープヌードルまで・・何なんだこの優しさは・・・

そして日本人好みの味付けが分かっているから、本当に美味しい!5400mの峠を越えてきた後だから尚更美味しく感じる。

温かい食事を出してくれて元気が湧いてきた。後からきたオランダとインドの3人組にも少し分けてあげた。

ニレカのコックさんとポーターさんたち

ニレカアドベンチャーズの皆さん、何もお返しは出来ないけれど本当にありがとうございました!

少し休憩した後、お礼を言って彼らと別れ、再び出発。スープヌードルのおかげで峠で使い切った気力が復活した。

今日ゴーキョまで行くのは無理そうだから、次の村・タラナクまで進むことにした。

後ろには越えてきた峠。

よく登ったなあと思い返す。

旗があったので記念写真。

旗を越えてからはひたすら下る。

緩やかな道を下る下る。

もう疲れ切って夫婦の会話は無い。お腹も空いてきた。

タラナク到着!

まだかまだかと思っていたら・・・

次の村発見!

標高4690mのタラナク(TangnagまたはDragnag)。

ちょくの定番となりつつある喜びのポーズ。

15時15分、村に到着!

チョラパス越え達成の記念に5人で写真!

3人とも、ありがとう!

Dragnagの宿は「Tashi Friendship Lodge」宿代は二人で1泊200Rs。

看板にタラナクが「Dranak」と書いてあるのは、ネパール語を無理やりアルファベット表記した際に宿によって表記がまちまちになっているため。

まずはみんなで日向ぼっこをしながらティータイム。

宿のメニュー。

日が暮れてストーブの周りでおしゃべり。

中央に写っているここのご主人はなんと!

かつて日本の北アルプス・立山の山小屋で働いていたそう!しかも日本語がそこそこ話せて驚いた。

今晩はチーズポテトとモモ!

チーズポテトもモモも美味しかった!

・・・・

この日は朝6時半から歩き始め、岩と氷の道を600mを登った後に700m下って・・・と長くて過酷な一日だった。

それでも夫婦で力を合わせ、そして何度も周りの人に助けられながらなんとか無事チョラパスを越えることが出来た。

最大の難所と言われるチョラパス、大変だったけど楽しかった!

そしてちょくもよく頑張った!

この日はあまりの疲れから気がついたら寝ていた。

使ったお金

【朝食】目玉焼き2つ(350Rs)、チャパティwith 2 Egg(550Rs)、お湯Sポット(500Rs)

【昼飯】スニッカーズとエナジーバー

【晩飯】ホットレモンSポット(500Rs)、フライドポテトwithチーズ(500Rs)、蒸しベジモモ(450Rs)

【宿代】200Rs

この日の日記

おだやん
不安な日。不安なのは所要時間。最初のガレ場は余裕。でも氷河越えが少し怖かった。ツアーのガイドがFIXロープを張ってくれてた。まあいずれにしても余裕だった。カラビナ持ってて良かった。ちょくはすごいと思った。峠で5人で休憩。その後ツアーシェフにヌードルもらう。下りはひたすら3時間。とにかく無事で安心。

ちょく
ついにこの日が来たか。チョラパス!とにかく不安だけど、おだやんを信じて進む。ひと山越えたところでおばちゃんズのテント発見!めちゃくちゃテンション上がる!コーヒーとかりんとうをもらう。おばちゃんズ大好き。緩やかな道に後、ついにチョラの本気登りに。思ってたよりも怖くないがキツい。岩にヨジヨジ。どうにかTOPについて写真を撮っていたら、まだ5100mくらいと分かってショック。気を取り直して氷河へ。これが、ヤバイ!今回のトレッキングでTOPレベルに衝撃!絶景というか迫力がヤバイ。

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2 件のコメント

  • akakuro より:

    はらはらどきどき。そして凄い!みんなに助けられながら乗り切ったのもいい思い出ですね。

    • backtothenature より:

      akakuroさん

      想像以上に辛かったですが、たくさんお友達も出来て忘れられない経験になりました!!幸せな、濃厚な30日でした(^^)

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