おだやんです!
3泊4日のダナキル砂漠ツアーに参加中のおだやんとちょく。3日目前半は、過酷な灼熱の大地を移動してエルタアレ火山のベースキャンプまでやって来ました。
さて3日目後半は、いよいよエルタアレ火山の火口までトレッキングし、沸き立つマグマを見に行きます!!
灼熱!火山トレッキング
16時すぎ、荒野のど真ん中にあるエルタアレ火山のベースキャンプに到着した。
エルタアレ火山はエリトリアとの国境近くにあるため、ベースキャンプはエチオピア軍が管理していた。だからガイドからここでは表立ってカメラを取り出せないようにと注意された。
少し休憩した後、夕方17時すぎに早めの晩御飯が出て来た。
メニューは野菜スープと食パン。今回のご飯の中で一番質素。質素だけど他に食べるものもないから腹一杯にあるまで詰め込んだ。
食事の後はいよいよトレッキングの準備。
この日の夜は火山の頂上で野宿するので必要なものを小さめのカバンに詰めた。
ここで、火山トレッキングの装備に関して注意点!
トレッキング装備の注意点
水は多めに!
夜でも暑いのでひとり3リットルくらいは水を持って行く必要あり。参加者の中には「重いから1リットルでいいや・・・」なんて言ってる人もいたけど、後でかなり困ってました。ちゃんとした靴&長ズボンを!
頂上付近では噴火したての溶岩が鋭く尖っているので足を切ってしまいます。絶対にちゃんとした靴と長ズボンを履きましょう。前日にガイドが「絶対にサンダルはダメ。そして絶対に長ズボンを履くこと!」と念を押していたのに、4分の1くらいの参加者が短パンだった。そのせいで何人かは頂上付近の溶岩で足を切って血が止まらない事態になっていた。
皆さん!ガイドの言うことは絶対に守りましょう。
日が暮れるにつれて、エルタアレ火山の火口の明かりが鮮明に見え始めた!
不思議過ぎて未だにあの明かりが火口の明かりだとは信じられない。
準備を終えて、いざ出発!
エルタアレ火山は標高613m。活火山の中では世界で一番標高が低い。それでもベースキャンプからは遠いので頂上まではおそよ4時間かかる。
なんで夜にトレッキング?と思うかもしれないけど、ここは砂漠の真ん中。昼間は気温が50℃近くまで上がるのからトレッキングどころじゃない。
夜になれば涼しくなるかと思いきや…
暑い。
暑すぎる。
持ってる水も温かくなってたし、体感では30℃以上あるように思える。
頭に水をかけたりTシャツを濡らしてみたりするけど、暑い。暑すぎてクラクラする。それに暗いのに暑いってすごい気持ち悪くて発狂しそう。
しかも足元はゴツゴツした岩だらけ。
ライトの明かりがあっても集中してないとコケそうになる。
暑いし暗いし足場は悪いし、過酷!
星空が綺麗だったけど、みんな暑さにやられてそれどころじゃなかった。
休憩中に、世界一周してる日本人の女の子が汗拭きシートをくれて超生き返った!
汗拭きシート、絶対必要。水よりも大切。日本から行く人は絶対持って行った方がいいです!
それでもしばらくすると暑くなって、最後の方はほとんどの男性陣が上半身裸で歩いてた。
4時間後、頂上に近くと火口が見えてきた!
そして頂上に到着!
嬉しいことに頂上付近では風が吹いていて暑苦しさは感じなくなった。
中央に煙を吐き続ける火口が見える!!!
ここからだと火口の中までは見えないけど、これだけでもすごい!
あの赤く輝く煙の下に火山の火口がある!
そう考えるだけで、めちゃくちゃ興奮する!!
地形がイメージしにくいと思うので超精巧に作った山頂図を載せておきます。
クレーター状になっている部分は推測だけど直径400mかそれ以上、深さは30mくらい。
まずはガイドリーダーが火口近くに降りて、人が安全に火口に近づけるか確認しに行く。
というのも、エルタアレ火山は2016年の終わりと2017年の頭に大規模な噴火をしていて、我々が参加した2017年3月下旬はクレーターの内側は溶岩が固まったばかりだった。それにマグマの上昇具合によっても火口に近づけない場合もある。
実際に2017年2月に参加した人は、ガイドが危険と判断したことで火口まで降りれずに赤く光る煙だけ見て下山したそう。
今回はどうなるんだろう・・・
火口の淵に立って足場を確認するガイド。
行けるよね?まさか行けないとか無いよね?
全員、固唾を飲んでガイドを待つ。
戻ってきたガイドが一言。
「大丈夫だ。行こう。」
戻ってきたガイドから火口に降りる許可が降りた。
よし!レッツゴー!
世界一過酷なツアーが本気を出す
ガイドに先導され岩場を降りていく。
そして火口に向かって一直線!
ワクワクが止まらないっ!!
ウキウキしながら火口に向かって歩いていると…
「ズボッ!」
ちょ、え?!
足が地面を貫通した。
そしてまた
「ズボッ!」
前を歩く人もズボッ。後ろでちょくもズボッ。
ちょ、何だこれ。
溶岩が固まってすぐだから、地面がガラス繊維で出来たウエハースみたいにサクサクした状態になっていた。
だから体重をかけるとすぐ割れる。
しかもたまに割れた地面の奥が真っ黒な空間になってて怖い。
おいガイド!全然大丈夫じゃねぇぞ!
それに!
地面の割れ目から高温の熱気が吹き出てる!
みんな知らずに踏んで「アッツ!」なんて言って火傷しそうになってた。
さすが、世界一過酷なツアー。
もう命がけ過ぎて笑うしかない…笑
でも過酷さはまだまだ続く。
火口の淵にあと少しというところで…
風向きが変わって火口から出る煙がこっちに向かってきて、一瞬で全員が煙に包まれた。
「ボエ”ッ”ー!!」
理科の授業で習った、手のひらで扇ぎながら臭わなきゃいけないあのアンモニアや硫黄のような強烈な刺激臭。
それが全力で鼻、喉、肺の隅々まで行き渡る。
息止めなきゃ…そしてこの場から離れなきゃ!
でも!!
目が開けられない!
死ぬ!!
ホラー映画のCMを見る時ばりに目を細めて煙を避けながら、なんとか風上に回った。
マッキンリーに1人で登った時、両側1000m以上の崖になってる稜線で足を滑らせた時くらい死を実感した。
2017年過酷オブザイヤー受賞ですわ。
あり得ない光景!
命がけで煙から逃れ、ついに火口の淵まで5mのところまでやって来た!
少しずつ近づいていくと・・・
なっ!!!!
ぬわっ!!
ぬぉーーーー!!!
ママ、マグマが!!
沸いてる!
衝撃的過ぎて、理解が追いつかない。
マグマが、グツグツ沸いてる。
みんな言葉を失っていた。
ちょくも。
ただ目の前のマグマを目に焼き付ける。
さて、これが火口を見下ろした全体像。火口の幅は直径40〜50mくらいあった気がする。
時折風向きが変わって黒くて刺激的な煙がこっちに向かってくる。
風向きが変わって煙が晴れてきた。
広角レンズで撮ってるから少し遠く見えるけど、マグマは眼下25mくらいに迫ってた。
凄いのが、目の前にはフェンスや柵は何もないこと。足元の岩盤が崩れればそのままマグマに落ちてしまう。
写真左端で湧き上がるマグマは、写真右端の方に流れていく。
そして別のどこかに流れ込む。
怖い。見たいけど、怖くてつい目を背けたくなる。
いろんな絶景を見てきたけど、これは次元が違う。「美しい」とか「壮大」とかそんな言葉で片付けられない。
このマグマは地球の内側、ずっとずっと奥深くから湧き出てる。
この絶対的なパワーには絶対に抗えない。
そんなこと考えると、ある言葉が脳裏に浮かんだ。
恐怖。狂気。
そしてそんな恐怖から、地球を崇めなきゃいけないような感覚になる。
太古の昔、きっと信仰ってこんな感覚から始まったんだろうな。
これまでもこれからも、どんな景色を見ようと泣くほど感動することは無いけど、この時は泣きそうになった。
地球、ヤバい。
心からそう思える体験だった。
最後に記念写真!
そしてこの時ばかりは、暗い中でもちゃんと撮れるいい一眼レフ持ってて良かったなと思った。
火山を見終わって1時過ぎ、クレーターを登って頂上で野宿。
汗まみれ、砂まみれだったけど、感動しすぎてそんなことどうでも良くなった。
ダナキルツアーは世界一過酷なツアーだけど、世界一感動できるツアー。
世界一周の旅でどこが一番良かった?といろんな人から聞かれるけど、今のところエルタアレ火山が断トツの一位。みんなにも是非行って欲しい。写真じゃ伝わらない感動があるから。
布団の上に寝そべって火口の方を見ると、火口から絶えず舞い上がる煙が赤々と光っていた。
人生で一番感動した日になった。もうこの景色が脳裏に焼き付いて離れない。
映像でもどうぞ!
続く!