エベレストトレッキング12日目(Tengboche→Shomare)谷沿いトレックと18歳の少女

ちょくです!

ナムチェで体調を崩しつつも、どうにか次へ進んでいるおだやんとちょく。

今日はついに標高4000m越えだー!

超寒い!朝トレック

【Day12】11月30日(晴れ)Tengboche(3860m)→Shomare(4010m)

この日は朝めちゃくちゃ冷え込んだ。夜はストーブがつくから暖かいけど、朝は大体どの宿もつかない。

だからめっっっちゃくちゃ寒い・・。

ブルブル震えながら、朝ごはん。2人とも体調不良でパンケーキやトーストが食べられないのと、宿ご飯が値上がりしてきたので、2人でスープ1つとホットレモンを注文したら・・・

げげげ。

とてつもなく薄いスープが出てきた。

信じられないほど、薄い!ほぼお湯。そこに、ひとつまみだけスープの素を入れましたって位、薄い!もうこれは、嫌がらせレベル。

ロッジがご飯代で生計を立ててるのは知っているから2人で一品しか頼まなかった私たちも悪い。

けど、体調悪くて食べられないんだよ・・・。食欲ないんだよ・・・。薄くするくらいなら「1人一品頼んでよ」って言って欲しかったな。

一方沢山注文している西洋人トレッカーにはニコニコと愛想がいい。うぉい!分かり易すぎるよ!(笑)

 

「ヒドイ宿だったね」

「朝から悲しくなったよ」

なんだかモヤモヤしながら宿出て、今日もトレッキングスタート。

・・・

進行方向にはドーンと山が。

神々しいったらありゃしない。

このトレッキング中、キレイ、スゴイっていう言葉を何回言ったことやら。

なんという贅沢!

出発からしばらくは陰った谷底道でかなり寒い。

いつもなら歩いて30分後には熱くなってダウンを脱ぐんだけど、この日はしばらくユニクロの軽量ダウンが手放せなかった。

少し歩いた先にあるDeboche村で、朝ごはん。

さすがに歩いたらお腹もすき、カトマンズから持ってきた非常食のエナジーバーをパクリ。寒すぎて味が分からなかった。

っていうか、私の隣の人デカくない?誰だか分からないけど、ビビる。写真拡大してみてください。

高山病対策は飲んで出す

今日は昨日と打って変わってとても穏やかな道のり。

そして昨日私がふてくされたせいか、おだやんがめちゃくちゃ優しい。ゆっくりペースで歩いてくれる。

今回おだやんは夫でありながら、荷物も持ってくれているし地図を見ながらペースも組んでくれている。しかもいじける嫁の世話まで焼いてくれてる。

夫兼ポーター兼ガイド兼仏陀

つまり、一人四役。

いくら幼少期から山を登り、高所登山の経験もあるからと言って、なかなか出来る事ではないと思う。

しかも嫁(私)は超山初心者。弱音は吐くし、いじけるし(ごめん)、相当めんどくさいだろうな。ごめんごめんごめん。

 

この日も、「高山病にならないために、水を飲もむのです」と言われてひたすら飲む。

一人1日3リットルは最低飲もうと決めていたので、休憩のたびに飲む。本当は4リットルが理想。

しかも私たちは下痢気味で水分を失いがち。沢山飲まないと。

でも3リットルって、意外に意識しないと飲めない。しかも寒いところで冷たい水はゴクゴク飲めない。ノルマがあるのは地味に辛い。

雪山バックで水を飲むと、水のCMっぽくなる不思議(笑)

ちなみにこれだけ飲んでいると、そりゃトイレの回数も増える。女の人は恥ずかしいとか言って我慢しがちだけど、我慢なんてしたら水が飲めない!そんなくだらない理由で高山病になるなんて嫌だ。

仏陀おだやんから、「とにかく飲んで出す。飲んで出すのです」と初日から言われている私は、この頃にはもうどこでもトイレが出来るようになった。

っていうか、暗い小屋でトイレをするより、この絶景を眺めながらのトイレの方が良い。

ほらね!解放感はんぱないー!

最高ー!!

って、あまり言うと友だち減りそうだけど、うん、良いよ、青空トイレ!! 

・・・

そのあとも歩いて、飲んで、出して、緩やかな登りをひたすら進む。

そして前方にアマダブラムが現れて、足を止める。

標高6856mのアマダブラムはシェルパ語で「母なる首飾り」と言う意味でヒマラヤの名峰のひとつ。

キュッとくびれた山の形が本当に女性の首もとのよう。

ため息が出る美しさだった。

野生のヒマラヤンカモシカに遭遇!

黙々と歩く、おだやんとちょく。

おだやんは薬のおかげで下痢も止まり、私も回復に向かっている。

幸い今日はきつい登りもなく、ある程度穏やか。それでも標高は高い。

 

歩いていると、あれ、なんかいる。

あ、あなた方は!

カモシカーーー!!!

なになに、ちょっと待って!かっこよすぎる!絵になりすぎ!

今まで全然野生動物に合わなかったけど、いるんだね。

山の中で凛と立ち、毛が風になびく姿はもうイケメンとしか言えない。

ほあー!目線いただきましたー!

山は山で美しいけど、ちょっと飽きてきていたので(おい)、久々の野生動物に興奮。

しばし観察し、楽しい時間を過ごせました。カモシカありがとう!

名峰アマダブラムを見ながら辛ラーメン!

お昼時にpengboche村に辿り着き、ここでランチを食べることに。

ただ、ロッジでお昼ご飯を食べるつもりはない。今日は卵を買って卵入り辛ラーメンの予定!

卵を売っているところを探すと、たまたま食材を売っているお店を発見!

全部の村にこういうお店があるわけではないからラッキー。

Mountain Peace Shopping Center。

「ショッピングセンター」と名乗るにはちょっと小さくてどっちかというと「大きめの商店」って感じだけど、中々の品揃え。

無事、生卵もゲット!

「卵ください」って言ったら「え、これ生だけど…」って顔をされたけど、「自分たちで料理するんです!」と言ったら「それは素敵だね!」と笑顔で返してくれた。

ネパール人優しい。

さすがにロッジの前で料理するのは失礼なので、少し歩いてロッジからは見えない隅っこで辛ラーメン。

卵が入るだけで、全然違う!美味い!

ただ標高が高くなると沸点が下がるから麺があまり美味しく感じられない。

これは盲点だったな・・・

まだ10袋くらいあるんだけど・・・

このあともまだ標高は上がり続けるから、辛ラーメンもどんどん不味くなってくるということ。つ、辛い。

フーフーしながら辛ラーメンをほおばる。

目線の先には、名峰アマダブラム。

こんなに贅沢な辛ラーメン、なかなかないよね。

「辛ラーメン絶景ランキング」があったら一位狙える自信ある!

 谷沿いの美しい景色

午後はひたすら谷沿いを歩く。

ヒマラヤの雪解け水が川を流れているんだけど、不思議な色。

道が開放的で登りも急ではなかったので、今日は滅入ることなくShamire村に到着!

 

私にとってナムチェ以降は毎分、毎時間、毎日が挑戦。今日は無事に人生初の標高4000mまで足を踏み入れることが出来て、安堵。

村は山肌の斜面にあり。開放的。

あるロッジには高所らしい看板が。

そこには「高山病のゴールデンルール」が書いてあり、頭痛や気持ち悪さを感じたら先に進むな、悪化したら下山せよ、沢山水を飲め、との助言が書かれていた。

そうは分かっていても、時間が限られているトレッカーは先を急いでしまいがち。でも、急いでも何も良いことはない。身体は正直だし、身体が資本。

この看板に素直に従うべし!!!

・・・

村の上の方が景色が良いだろうと、少し上がって振り返る。

今日はあの谷沿いをずっと歩いてきたんだなぁ。

1日の終わりに後ろを振り返り、自分の歩いてきた道を見るとなんとも言えない達成感に包まれる。

まるで人生のよう。なんちゃって。

さて、景色のよさそうなロッジへ。

泊まる宿はHilltop Lodge & Restaurant

外で10代くらいの女の子が洗濯をしていて、部屋に案内してくれた。

部屋は3つあって、1つは物置きになっていた。実はShamore村はあまりトレッカーが泊まる場所ではない。

大体の人はNamche村→Dengboche村まで1日で歩き、Shamore村は翌日のランチに立ち寄ることが多いそう。

私たちは他の人に比べペースが小刻みだから、こういう小さな村にも泊まることがよくあるんだけど、静かでゆったりしていて結構好き。

お庭で水浴び!

荷物を部屋に置いたら、お庭へ。

天気も良く、太陽が気持ち良い!

 

女の子に「水浴びがしたいからお水をください」とお願いすると、お湯を持ってきてくれた。

お湯!これには驚き!

ナムチェ以降はホットシャワーは有料だし、コップ一杯のお湯ですら有料だから水で良いやと思っていたのに。お湯と水を適度に混ぜてくれて良い湯加減。

思い掛けないお湯に歓喜!

久々に顔を洗ったー!

ここ最近は水が冷たすぎて「洗う」というより「ふき取る」って感じだったから嬉しい。

お湯ってこんなに気持ち良いのか!

おだやんも、ウキウキ。

最高だぁー!って雄叫びがこだましてきそう。

それにしても、背景の山がすごい。シャンプーのCM(メンソール系)みたい。

足が殺人級に臭かったから、足と靴下も洗えて幸せ。

え〜、ちょく汚い〜、とか言われそうですけどね、奥さんね、そりゃ無理ですから!標高4000m以降は寒すぎて足なんて洗えないですから!冷たいんじゃなくて痛いの!分かる?!

決してズボラなわけじゃないですからーーー!!(心の声)

靴下も洗って干す。満足!

18歳少女が切り盛りするロッジ

水浴びを終え、リビングへ。

円形に配置されたテーブルと真ん中には暖炉。

この配置はロッジでは定番の配置なんだけど、これが結構好き。必然的に回りのお客さんとも顔を合わすし、自然と会話が生まれやすいから。

それにしても窓が大きくて、太陽の光が暖かい!この宿にきて良かったな。

くつろぐ前に、まずは注文。

ダルバートは500円。

山のロッジでは「ご飯は16時までに注文してね」っていうルールがなんとなくある。

そして注文するときは「ダルバート2つ、6時半にお願いします」ってな具合に品物と時間を伝えると、結構ピッタリの時間に出してくれる。

私たちはご飯までの間は高山病対策も兼ねてビッグポットの飲み物を注文。

今までは一杯ずつ頼んでいたけど、ビッグポットの方がコスパが良い。

4000m以降はとにかく水分を摂取し続ける必要があるので、2人でガブガブ飲む。

このとき、色々お世話してくれている女の子と少しだけ話した。

 

彼女は18歳。

いつもはお母さんがいるけど、ナムチェに買い物に行っていて数日は一人なんだそう。

お父さんは?と聞くと、ガイドの仕事でほとんど家にはいないとのこと。帰ってくるのはシーズンオフの数ヶ月だけ。これって単身赴任と変わらないよね。

リビングには一枚好青年の写真が飾ってあり「お兄ちゃん?」と尋ねた。

 

「うん、お兄ちゃん。2年前にエベレスト登山中に死んじゃった。」

 

ちょっと沈黙。この写真は遺影だったのか。まだ20代前半っぽいのに。

エベレストは外国人にとっては「冒険」「挑戦」「夢」だけど、現地のシェルパ族にとってはガイドすることで大金が入る大型の仕事。でも、大金が手に入る一方、山の仕事は常に死と隣り合わせ。なんて言葉を返して良いか分からない。

「変なこと聞いてごめんね」

「大丈夫だよ。お兄ちゃんは立派だったから。謝ることないよ。」

家族のために死を覚悟して山に挑み、立派に死んでいった、って、まるで戦争で戦死したかのような表現。そしてそういう風に実兄を語れるなんて凄いと思った。

・・・

さて、夜は二人してダルバート!

18歳の女の子がどんなダルバートを作ってくれるのかドキドキしていたけど、これが美味い!!

野菜炒めもシャキッとしてるし、大満足の夕飯。今朝は激薄スープで嫌な思いをしたから、暖かくもてなしてくれて嬉しい。

18歳って、まだまだ友だちと遊んだりしたいお年頃なはず。恋もしたいはず。オシャレもしたいはず。それでも彼女は黙々と洗濯し、ヤク糞で暖炉を温め、料理をし、皿を洗っている。夜は寒い中何枚も毛布を被ってリビングで寝ていた。

精神的に大人だなぁと思った。

 

この日の夜、トイレに行くと空一面に星空が。あまりに美しいすぎて、トイレのドア全開でトイレしちゃったよ。

明日はどんな1日かな。毎日が新記録、まだまだ続く!

使ったお金

【朝飯】激薄マッシュルームスープ(28rs)、ホットレモン(100rs)

【昼飯】自炊 生卵2つ(80rs)

【夕飯】ホットレモンスモールポット(400rs)、ダルバート2つ(1000rs)

【宿代】200rs

この日の日記

おだやん

朝はスープのみ。超薄かった。こんな宿は嫌だ。朝は超寒かった。朝飯休憩@Deboche。ゆっくり歩く。途中、野生のヒマラヤカモシカに遭遇。あまり辛くない日。夜は18歳少女が一人でやっている宿へ。ダル美味い。8枚大富豪にハマる。

ちょく

前日辛くてふてくされていたからか、おだやんが優しい。ゆっくりペースで歩く。体調は昨日よりも回復し、快調!宿の客は私たちだけだったが、アットホームでお茶をサービスしてくれたり、素敵な宿だった。こういうところにお金を落としたい。

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