ちょくです!
秘境温泉トレッキングも気づけば10日目に突入。
今日はシンハ温泉から次の温泉地への中継地点・ダグナム村へ!
情報のない秘境温泉へ
朝は8時に起床。
今日はシンハ温泉を出て、次へと進むことにした。シンハ温泉は昨日たっぷり堪能したけど、本当にインパクト大だったな。さらば、シンハ温泉!
さて、これから私たちが目指すのは、
ダルミジャ温泉。
ここを知ったきっかけは、ポカラの宿にいた日本人に見せてもらった”地球の歩き方”。
マップの端に“ダルミジャ温泉はこっち”という、ベニから南方面を指す矢印を発見。でも正確な位置は示されていなくて、もちろんこの矢印以外の情報もない。ネットで検索しても有益な情報は出てこない。
ただひとつの情報は”ベニより南にこのダルミジャ温泉がある”ということ。
そもそも現存するかさえ分からないけど「温泉がある(らしい)なら行ってみよう!」と行ってみることに!
朝ごはんを宿の隣のレストランで食べたら、まずはバスでベニへ向かう。
ベニはここら辺では大きな街なので、たくさんバスが走っている。ひとり90ルピー(90円)。40分でベニ着。
お次はベニからガレーシャという村を目指す。
実はトレッキングに出発してから今日までの10日間、私たちは道中でダルミジャ温泉の情報収集をしてきた。
全く知らないという人もいたし、色んな情報が入ってきて混乱したけど、どうやら「ガレーシャ」という村から行けるということが分かった。そこから先は良く分からない。
ベニからガレーシャまではタクシーを使って200ルピー(200円)。30分前後だった気がする。
到着すると、なんだかんだでお昼時。
ガレーシャでお昼ご飯。
店先にはフルーツやクッキーが売ってあるのでここで色々調達できる。
お昼に頼んだのはチョウミン(ネパール風焼きそば)とゆで卵。
一皿を2人でシェアしてお腹いっぱい!見ての通り、麺の量がすごい。チョウミンは80ルピー、ゆで卵は30ルピーでした。
食後にここで非常食も調達!
パイ菓子50ルピー(50円)
みかん1キロ90ルピー(90円)、バナナ2本40ルピー(40円)。
これに、1リットルの水を2本。
おだやん曰く、「これは秘境ハンターの装備だ!」らしい。ほうほう。
ロビンソンクルーソーに憧れ無人島サバイバル経験もあるおだやんは、これから始まる温泉探しが楽しみの様子。見てるだけでワクワク感が伝わってくる。
そうそう、チョウミンを食べてる時に相席だった2匹。寄り添ってて可愛かったー。
さて、非常食も買ったことだし!
いよいよ秘境・ダルミジャ温泉探し、スタートです!
人を信じて進む山道
腹ごしらえを済ませ、ダルミジャ温泉を目指す。
「さぁ、出発だ!」
「で、どっち?」
「・・・」
ここからは全く見当がつかないので、とにかく人に聞いて行くしかない。
するとガレーシャ村で何人か聞いて行くうちに、ダルミジャ温泉を知っているというタクシーの運転手に遭遇!
「あの山の奥だよ、1日じゃつかないけどね」
「ダルミジャ温泉って本当にあるんですね!でも、そんなに遠いんですか」
「険しい山道だからね。6〜7時間はかかる。途中に宿はないから誰かの家に泊めてもらうしかない。」
「おぉ・・・」
「途中まで車道もあるよ。3000ルピーで連れて行けるよ」
思ったよりも遠い。というか、宿もないのか!本当に秘境だなぁ。
タクシーは普段は5000ルピーとのこと。山道は細く崖っぷちで危険だからなのと、ほとんど行く人もいないから値段設定が高いんだって。
ひとまず考えた結果、歩いてみることに。誰かの家に泊まれるかは分からないけど、
“ダルミジャ温泉はある”
という確かな情報で、なんだかやる気が出てきた!
「歩くならあっちだよ」というタクシー運転手の指差す方向へ。
「橋を渡ったらすぐだよ」と言われたんだけど、それらしき道はない。橋を渡った先を行ったり来たり往復してみる。
橋を渡って・・え、どこ?どこどこ?
まさかこの小道ですか?
わかりにくいけど、トラックの左横の細い小道。
こんな細い小道、山を突っ切るショートカットにしか見えない。看板もないし、絶対に普段は入らないような道。
でも、近くを通った村人にもここを歩けと指を指されたし・・・うん。行くしかない。
少しずつ登っていく。でも思っていたよりも急な登りでヘロヘロ。本当にこの道で合っているかの確証もないし、どこまで歩いていけば良いのか分からないから疲れやすい。
途中の休憩ポイントで凹む。
でも、とにかく人の言葉を信じて歩き続けるしかない。こんなトレッキングは初めて。
「この先にダルミジャ温泉はある」
そうお互いに言い聞かせながら、進んで行く。するとポツポツと民家を見かける長閑な道に出た。
さらに進むと、思わぬ絶景にも出くわした。見事な棚田!
ベトナムのサパでも美しい棚田を見たけど、ここも負けず劣らず美しい!
まるで絵を切り取った見たい。今回の温泉巡りトレッキングは景色は期待していなかったから、これは嬉しい!
途中、休憩していたらおだやんが背後からパシャパシャと撮ってきた。
「ちょっと!なに!」
「いやー、だってさー」
「ちょく、名探偵コナンに出てくる犯人役みたい!」
た、確かに、黒ずくめ・・・
嫁のことを犯人扱いして面白がるおだやん。おい!誰が犯人じゃい!
どんな格好だって、要は歩けりゃ良いんだよ!手持ちの洋服がないんだよ!はぁ〜疲れるぜ。
・・・
こんなやりとりをしながら、ひたすら歩いて行く。時折人が歩いていて、その度に道を確認する。
道は大体一本道だから迷うことはない。今まで車道ばかりだったから、久々にトレッキングらしい道!
途中に小さな村もあった。
ここでも道を聞く。間違ってはないみたい。温泉のことを聞くと「?」な人もいるけど、「ダルミジャ」と言うと頷いて指差しくれる。
「あっ、犯人だ! 逃げろー」
「おらーーー!」
という一連の茶番を繰り広げながら、、歩く歩く歩く。
道は山肌をずーっと歩く感じで、少しずつ日も暮れてきた。
山の反対側へ出ると、村発見!
結構立派な家も建っているし、ここで泊まるか夫婦会議しながら進む。
しかも、そのあと車もやってきた!あれはきっとガネーシャ村からだな。
ガタガタガタガタと凄い音を立てながらあっという間に追いついて来る。
私たちのことを「えぇ!アジア人?!なんでこんなところに!」みたいな顔で凝視しながら通り過ぎる車。
いや、そりゃそうだよね。ビックリさせて申し訳ない。この時、あの車を止めて乗せてもらおうかと思ったけど、せっかくここまで歩いたし辞めた。
道中、おだやんが可愛いことを言う。
「ちょく見て!ハート形。」
そういうのは、私が積極的に言いたいんだけどな・・おだやんは見た目によらず可愛いことを言うのが特徴。
その後も、ひたすら山肌を歩く。
ここら辺から壁がすごく岩岩してきて、迫力満点。
石を見ると、私たちが出会うきっかけなになった大学の授業「Back to the Nature」の円城寺先生を思い出す。この授業名は私たちのブログ名の由来でもある。
先生は鉱物が専門で、研究室にはたくさん石があったなぁ。
そんな思い出話をしながら、石の写真を撮ったんだけど、これ、円城寺先生にしか需要ないな・・・
結局、まだ日暮れまでは時間がありそうなので村は通り過ぎてもう少し先に進むことに。
ここでは面白いことが起こった。
初・ニワトリの仲間たち!
しばらく一緒に歩いたよ。
今まで犬とはよく歩いたけど、ニワトリは初めてだったな。
山もそろそろかげってきたころ、
ついに、車道終了のお知らせ。
ここからは全員徒歩でしか行けない場所へ。まさに、秘境だ!
細い崖っぷちや、
石段を進んで行く。
来た道を振り返ると、崖っぷち感が丸わかり。こわ!
さっき車に乗ってた人も歩いているから安心して進める。道は全然安心じゃないけど。
しばらくこのヒヤヒヤゾーンを歩くと、ついに村が見えて来た。
ここら辺まで来ると道っぽい道もなく民家の裏や庭を突っ切るように歩く。
夕暮れになって来たので、今日はここに泊まろう。
そしてここからが勝負どころ。
泊まる家探し・・・!
とりあえず村で一番大きそうなお宅に行って見ることに。
恐る恐るお宅を訪問すると、お父さんらしき人が井戸を作っていた。
もちろん英語は通じない。どうにかジェスチャーで「この村で寝たい、あなたの家に泊まらせてほしい」と伝えると「分かった、ここで少し待ってろ」的なことを言われた。気がする。
そんなわけで待つ。お父さんらしき人はどこかへ言って戻ってこない。
ここから村を見渡すと、結構家もあることに気付く。
お父さんのとこがダメでも、聞いて回れば泊めてもらえるよね。と、おだやんと話しながら待つ。
すると、お父さんが1人の男性を連れてきた。
この男性、クリシュナさんというお名前で英語が話せる話をすると、今晩はクリシュナさん家に泊めてもらえることに!どうやらお父さんは英語が話せないからクリシュナさんに助けを求めたみたい。
いやー、とりあえず寝る場所が見つかって良かった・・:
「私に着いて来なさい」と、クリシュナさん。一緒に家まで歩いていく。
いよいよ暗くなってきて、足元も見えなくなってきた。畑の隙間や家と家の隙間をくねくねと歩いて行く。
え、この畑通って良いの?!っていう細い道は本当ドキドキする。なんども菜っ葉を踏みかける。
そうして5分強歩いて行くと、
あった!
クリシュナさん家!!
突然来てしまったのに、どうぞどうぞと案内してくれるクリシュナさん。見ず知らずの外国人を泊めてくれるなんて・・本当にありがたい。
お邪魔します!!
突撃ホームステイ
お家にあがると、小さなアイドルがそこに。
か、かわいいいーー!
クリシュナさんの一人娘。まだヨチヨチ歩きで足元はおぼつかない。クリシュナさんはお嫁さんと娘さんの3人暮らしなんだそう。
「まぁどうぞ、つまんでつまんで」
出してくれたのはクリシュナさんが作ったお豆を炒ったもの。これがめーーちゃくちゃ美味しい!!!
塩でサッと炒めてあるんだけど、香ばしくてポリポリポリポリ止まらない!
さらには、自家製のお酒まで。アルコール度数が高くて私は飲めなかったけど、おだやん曰く焼酎のようで美味しいとのこと。
聞くとクリシュナさんは、というか、この村に住む人々は、ほぼ自給自足の暮らしをしているそう。
ネパール人が毎日食べるダルバートの豆も手作り。家には貯蔵している食物やこれから植える種などが保管してあって、その暮らしぶりがとてもカッコ良い。今住んでいる家も、両親が建てた家なんだそう。壁などから手作り感を感じて、それがまた暖かい。
「なんでも自分で作るって大変そう」と思っていたけど、クリシュナさんたちにとってはそれが当たり前。年齢は同い年ぐらいなのに凄く立派で、自立しているように見える。純粋にとても憧れた。
話している間、奥さんがダルバートを作ってくれた。
料理は蒔きで。器用に火をくべながら料理していて、それもまた感動。
若いのに、というか、私より年下なのに家事と子育てを両立しててすごい。しかも、日本のように蛇口からお湯はでないし、スイッチでコンロがつくわけでもない。オムツは使わずに手洗い。そんな中、日中は学校の先生をしているというから頭が上がらない。すごい・・凄すぎる。
ダルバートはめちゃくちゃ美味しくて身体に染み渡った。
ホームステイって、ドキドキするけどとても楽しい。特に違う国や文化を持つ人の家って、それだけで興味深い。ささいなことでも勉強になるし、感心するし、ビックリする。
あぁー、手探りだけどここまできて本当に良かった!
この日は、クリシュナさんご夫妻の寝室をお借りして眠りについた。
クリシュナさん!ありがとうございます!!!
明日はいよいよダルミジャ温泉へ。
果たしてたどり着けるのか?!
続く!
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