バイクが支えるインド人の暮らし

リアルタイムでは、人生初の南米大陸に足を踏み入れました!それと同時になぜか切れ痔になってしまい、歩くのも辛い日々を過ごしています。おだやんです。

さて、インド・リシケシュ滞在中にひょんなことから雑誌のカメラマンを頼まれたのですが、2回目となるこの日は、リシケシュの街を走るバイクをとことん撮影!

これまで興味が無かったバイクという切り口でインドの街を見てみると、日本とは全く異なる交通事情が見えてきてきました!

インドの街を走るバイクたち

この日はリシュケシュの街を走るバイクの撮影ということで、ライターのじゅんさんと一緒にバイクを探して歩き回ることに。

バイク屋やバイクレンタル店が並ぶ大通りからスタートした。

リシケシュの街のレンタルバイク屋でよく見るバイク、250ccの「アベンジャー」。人気のバイクのようで、どの店先にもこのアベンジャーが一番目立つ場所に飾られていた。

そもそも大卒の平均月収が4万円に満たないインドでは、車はまだまだ手の届かない超高級品。だから街には車屋よりもバイク屋の方が多いし、道路でも車と同じくらいたくさんのバイクが走っている。

もちろん走っているほとんどのバイクがホンダ製。

インドでは神聖な生き物とされている牛が道路上でウロウロしていることもしばしば。

クラクションを鳴らすことなく、ゲームみたいに避けていく。

これ日本だったら大問題だけど、これがインドの日常。

これまでバイクに興味なんてなかったけど、こうやってバイクに着目しながら街を歩くと、インドの交通事情が見えてきて面白い!

そもそもツッコミたいんだけど、バイク乗り達はほとんどがヘルメットを着けていない!

もちろん法律上、ヘルメット着用は義務付けられているらしいんだけどね。

僧侶ももちろんノーヘル。

ちなみに頭にターバンを巻くシーク教の人はヘルメット着用が免除されるみたい。それでいいのか!

そして3人乗りも当たり前。

どのバイクももの凄いスピードなのに、ほとんどがノーヘル。これ事故起きたら絶対死ぬでしょ。

そう思ってインドの交通事故の統計を調べたら、インドは2015年の時点では世界で一番交通事故による死亡者数が多い国だそうで、年間およそ14万6000人(2015年)が交通事故で死亡している。ちなみに日本の交通事故による死亡者数はおよそ4000人

人口が10億人近いということを考慮して日本の年間死亡者数を10倍しても足りないレベル。凄まじいな・・

でも言われてみれば確かに、インドのドライバーは信号無視守、危険な割り込み、一時不停止と危険運転が多く目につく。教習所でしっかり習ってないのかななんて思って他にも調べていると、驚いた情報が出てきた。

インド政府の推定では利用されている自動車免許の30%が偽造らしい。

 

ちょっと待て。

 

大まかに考えると「走っている車両の3台に1台は無免許運転」ってこと?

や、やんちゃすぎる・・・

 

荒々しい運転

交通事故による年間死亡者数が世界一のインド。その理由はノーヘルとか定員オーバー以外にも、運転の仕方が関係している気がする。

なんたって運転が荒い!

狭い路地に、そこそこスピードを出した二人乗りのバイクが入ってきた。

前方には歩行者。この距離で初めてクラクションを鳴らす。

いやいやいやいや、クラクション遅いしスピード出し過ぎ!

ギリギリで避ける歩行者。見ているこっちがハラハラする。

お次はさらに狭い路地にて、人の群れに猛スピードで突っ込むバイク。

歩行者も運転手も反射神経が抜群なのか、ぶつかりそうでぶつからない。もっとスピードを落とせばいいものを・・・

バイク同士でも・・・

結構なスピードのまますれ違う。

上り坂でもスピードは落とさない。

この街で見かけるバイク乗りたちは、基本的に「次の曲がり角から何かが飛び出してくるかも・・」なんて事は気にしてない。

この人たち、たぶん急に飛び出してきた人や対向車は反射神経とか動体視力でカバーしようとしてる・・・

 

そりゃ交通事故死亡者数が世界一になるわ・・・

割とマジでスピード落としなさい!って話ですよ。

 

見ているだけでヒヤヒヤするインドのバイクだけど、この街でも一番ヒヤヒヤするスポットがあった。

それがリシケシュで一番人通りの多い場所のひとつ、ラクシュマンジュラ橋。

ここは人だけでなく、かなりの数のバイクが行き来していた。

観光客や地元民でひしめく狭い橋の上を、バイクはスイスイと人を避けながら走っていく。

なんでこんな場所でこんなにスピード出すの?ってくらいスピードを出してる。バイクが来るたびに「後ろからバイク来てますよ!」って毎回通行人に注意したくなる。

そしてこの橋には、人以外の生き物もいるから余計にヒヤヒヤする。

サル。

そしてやっぱり牛。

もう橋の上はめちゃくちゃ!

よく事故起きないよね。

橋の上にいるだけでかなりヒヤヒヤする。

そしてここで気がついたのは、歩行者の反射神経が凄いということ!

クラクションも無しに突っ込んで来るバイクを、歩行者は皆ヒョイっと避ける。日本人だったら一瞬で轢き殺されるんじゃなかろうか・・

歩行者の反射神経が凄いからバイクが飛ばせるのか、バイクの運転が荒いから歩行者の反射神経が凄いのかは不明だけど、これもインドらしい交通事情だなと思った。

バイクが支える庶民の暮らし

インドのバイク乗りは危険極まりない!とは言っても、一方で、バイクはインドの庶民の生活を支えてるのも確か。

街ではいろんな荷物を乗せたバイクを見かける。

↑この白い袋の中身が気になる・・・

こちらは牛乳をバイクで運ぶおじさん。

街の人は、このおじさんを呼び止めて牛乳を買うみたい。

他にも細々とした商品を積んだバイクも。

このおじさんは卸売人なのか、小さな商店の女性店主はバイクのおじさんから何かを買っていた。

 

こんな感じで、インドの街のいろんな場面で活躍しているバイク。車は高くて買えないため、バイクは働く人たちの重要な足。バイクがインド人の暮らしを支えていると言っても過言じゃない気がした。

・・・

バイク雑誌のライターのじゅんさんに出会うまでは、これまで乗り物って単なる移動手段としか見ていなかったんだけど、今回、乗り物を通してその国らしさや暮らしぶりが見えてきて面白かった。

いろんな発見があったおかげで、この日以降いい意味で自分の写真の腕のことなんか気にならなくなった。それよりももっと前のめりになって、目の前の出来事を楽しんで撮影しなきゃ何も始まらないんじゃないかと思えてきて、自分の中でも少し進歩があって充実した日になった。

次回は、撮影最終日!リシケシュからかなり離れたインド最大のダムまでのバイク旅の様子をお伝えします!

続く

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