アジア最大の人造湖「Tehri Dam」へのバイク旅

最近更新をサボっていてすみません。おだやんです!

さて、インドのリシケシュ滞在中に日本のバイク雑誌のカメラマンを頼まれたおだやん。この日は撮影のため、バイク乗り達とアジア最大の人造湖に行ってきました!

ダムへのバイク旅スタート

朝8時頃、リシケシュの街にあるバイクレンタル屋に集合!

店では店員が丁寧にバイクを洗っていた。取材だからキレイにしてくれているらしい!インド人が丁寧に何かを洗っていることが新鮮で面白かった。

ちょっと前まで俺は「インド=汚い」というイメージから「インド人=掃除しない」と勝手に連想していたんだけど、リシケシュで長期間滞在して「インド人は割と掃除好きということに気がついた。もちろん自分の所有物・敷地に限るんだけど、それでも自分の目で確かめもぜずに勝手なイメージを持つのって良くないなと思った。

そもそも、この旅に出る前は「中国やインド=汚い、欧米諸国=綺麗」なんて超絶な固定観念を抱いていた。でも中国でもインドでもゴミの落ちていない綺麗な場所はあったし、欧米でも汚い街はかなり汚いと聞く。日本だってちょっと前までは汚かったとも。自分の目で見るまでは勝手にネガティブなイメージを持たないように気をつけなきゃね。

さて、このイカした兄ちゃんが今回の取材対象のシヴァ。昔、インドをバイクで長期間旅したことがあるそうで、それが今回の取材に至るきっかけにもなっていた。

またもやイメージの話になるんだけど、インドってちょっと昔までは貧しいイメージダがあったのに今ではバイカーやバックパッカーとして旅する若者も増えてきた。それほどインドも豊かになってきているのね・・・

今日はシヴァがリシケシュ郊外から60kmほど離れたアジア最大の人造湖「Tehri Dam」まで案内してくれることに。

他のメンバーは本命カメラマンのアナンド(左)とライターのじゅんさん(右)。

さらに、撮影の為の運転補助役の現地人一人と、俺、合わせて5人で出発!

バイク雑誌のライターもやりつつ、自身もバイクをこよなく愛するじゅんさん。バイクのことを知らない俺は、小柄な女性がこんなに大きなバイクを運転できることがビックリで仕方がなかった。聞くとそこまで体の大きさは関係ないそうなんだけど。

まずはガソリンスタンドで給油。

リッター74ルピー(=125円)

ガソリン代って、インドだから安いなんてことはないんだね・・・・こんなに高いと、例えばインドのタクシードライバーが払えるのか疑問。

給油を済ませ、84km先の「Tehri Dam(ティリダム)」へ。

俺は運転してくれる人の後ろでひたすら撮影!

やっぱりバイクには革ジャン!

シヴァの、ビンディ(額の赤い点)とノースフェイスのパーカーのギャップが良い感じ。

何にもない山の中で、変わった制服を着た高校生男女とすれ違う。「こんな誰もいない山の中で、一体何を?!」と、危うく変な妄想しそうになったので、とりあえずモンゴルの大草原を思い浮かべる。

牛だけじゃなく馬も路上で放し飼い。

途中お茶屋で一休み。もちろん1杯15円のチャイ。

バイクの後ろでこの疾走感溢れる写真を撮るのに結構苦労した!

道は大体舗装されているけど、頻繁に工事中や未舗装の道に出くわす。結構お尻がしんどい。

山の中にポツンとある茶屋でランチ休憩!

パクチーが練りこんであるパラタ(チャパティみたいなもの)を一口もらったんだけど美味しかった。パクチー好きには堪らない!

俺は定番のプリシャブジ。手前にある付け合わせの生玉ねぎと唐辛子ペーストが最高!

昼ごはんを食べ終わると、バイクの調子がおかしいとじゅんさんが自分の乗っているバイクを整備していた。

すると一緒にいたメンバーも協力してくれ、すぐに解決した。国籍は違えど、同じ趣味を持つ者同士やっぱり気があうのかじゅんさんとシヴァ達はトラブルでさえ楽しんでいた。

さて、ダムへの旅路はまだこれから!

バイクの後ろにまたがりながらのローアングルってファインダー覗けないから難しい!

これだけ山奥に来れば街なんて無いだろうと思っていても、先々には必ず街がある。さすがインド。

ちょっと道に迷いかけたけど、現地の人が優しく道を教えてくれた。インド人って大体みんな優しいんだよね、本当に。

街中の道も陥没だらけ。

これがけっこうストレスになる。

さて、前々から言おうと思ってたんだけど、インドの道路には厄介なものがある。

 

それがこのバンパーというスピードの出し過ぎを抑制するための出っ張り。大体は「この先バンパー有り」があるから減速して越えればいいんだけど、気がつかずに出くわした時にはもう大変!もうバイク壊れるんじゃないかくらいに車体が浮き上がってお尻を強打する。

これは日本でメジャーでないだけでインドだけでなくアフリカにも南米にもどこにでもあるんだけど、これを見るとなんというか、ドライバーが信頼されていない感をひしひしと感じる。

しばらく進むと見晴らしが良くなってきた。

暑くもなく寒くもなく気持ちのいい天気で、景色も最高!そんな中を風を切りながら走れるバイク旅って結構楽しいかもしれない!

途中の小さなお堂で一休み。

ヒンドゥー教が関係する場所ってなぜか瞑想したくなるのはなんでなんだろう。

途中、柵の無い切り立った断崖絶壁の道も・・・

スリップしたら間違いなく死にそう。

Tehri Damまで10km、どんなダムなんだろう・・・

アジア最大の人造湖

出発して4時間ほどでやっとTehri Damが見えてきた!

湖沿いには小さな村があってちょっとした展望スポットもあった。

これがアジア最大の人造湖「Tehri Dam」。

対岸もすぐそこに見えるし思ってたより小さく映るけど、実は非常に細長い湖。横幅は長いところでも2kmしかないのに、長さは直線距離で40km以上、湖の円周は100km以上あるという。ちなみに琵琶湖の円周は200km。

シヴァによれば、このダム建設時には40の村が沈み、70の村が浸水のために退去を余儀なくされたんだそう。そしてこのダムはヒンドゥー教が聖なる川とするガンジス川の源流部近くにあることで「Bhagirathi」という名前の神域とされていたため、多くのヒンドゥー教徒からの抗議が今も絶えないのだという。

近くにいた警備員に道を聞くと、ここから少し行けばダムが見下ろせる展望スポットがあるということで向かうことに。

なんとなく撮ったメインカメラマンのアナンド。

展望スポットを目指し、湖沿いの道をひたすら進む。

30分ほどで展望スポットへ。

これがTehri Damの堤防。

このダムは深い場所で260mもあるんだそう。怖い。

堤防のスケールがデカすぎるて距離感が掴めないけど、堤防は575mもあるんだそう!デカい!

別に最高にいい景色な訳でもなく、それほど感動しなかった。でもアジア最大のダムが見たい!巨大な建造物が見たい!という方にはうってつけの場所かもしれません。

一応地図を載せておきます。

Tehri Dam(ティリダム)

リシケシュからバイクで日帰り旅行するにはちょうど良い距離だと思います。

さて、あとはリシケシュに帰るだけかと思いきや違う道から帰る模様。

別の山を越えて帰るということで山をどんどん登っていく。寒くて死にそうだった。

途中にあったカラフルな街。

インドの女性ってたくましさを感じる一枚。

このガス缶、15kg以上ありそうなんだけど笑顔なのがスゴい。

↑この写真は雑誌の特集ページの見開きを飾った一枚。

雑誌のカメラマンを実際にやってみると、雑誌のカメラマンの構図のスゴさに関心する。見開きで、さらにタイトルと文章が入ることも見越して撮ってたりする訳だけど、現場でそこまで考えて、さらにいい絵を撮るのは簡単なことじゃない。

でもこういう仕事の世界を垣間見れて勉強になった。

帰り道、帰宅ラッシュなのか小さな村で渋滞に捕まった。

日本人からすると「なぜみんな譲り合わないんだ!」と思うんだけど、いつかインド人に聞いた話だけど、インドでは「チンタラしてると物資が限られている世界では豊かになれない(人に先を越されたら欲しいものが手に入らない)精神」みたいなものがあるらしい。

夕方近くになっても一向にリシケシュに着く気配は無い。みんなお疲れモードなので茶屋で休憩。

チキンカレーを食べた。

肉が禁じられているリシケシュと違って、この郊外エリアでは肉が食べられる!

久々の肉!うまい!幸せ!

店を出ると雲行きが怪しくなり始めた。

その後もリシケシュ方面に進むも、なんとアラレが降り始めた!

峠の茶屋に避難する。

お腹が空いていたのでここでもカレーを食べる。

うまい。

外に出ると日が暮れかけていた。これはピンチ!

美しい夕暮れに感動する暇もなく先を急ぐ。

気温はどんどん下がっていき、10℃は下回ってた気がする。薄着で来てた俺はもう白目をむいて倒れそうだった。

そして日がくれた頃、俺以外のメンバーは明日も撮影するとのことで泊まりがけで違う方面へ旅立って行った。

俺はちょくが待つリシケシュに帰るべく、一人原付でリシケシュへ帰ることに。

雑誌カメラマンの仕事もこれで終わり。写真に関していろんなことを学べた3日間だった。何よりもカメラマンという仕事の大変さがよく分かった。正直、今後あんまりすすんでしたいとは思えない仕事かな(笑)

 

インド人は信じない

さて、メンバーとの別れ際に「この山を降ったら1時間くらいでリシケシュだよ」と言われたからすぐ帰れると思ったんだけど、これがとんでも無い間違いだった。

あまりのピンチすぎて写真は無いんだけど、本当に遭難したかと思った。

 

道は一本道なんだけど1時間以上進んでも村も街も対向車すらも見えてこない。進んでいる道はだんだん小さな林道へと変わって行った。道は山を登ったり降ったり。そもそも携帯の電池が切れて地図が見れないし周りに道を聞ける人もいないから、この道があってるのかも分からない。

そしてめちゃくちゃ寒い。フリースくらいは着てたんだけど、手がかじかんでブレーキが握れないほど。

さらに原付のガソリンは残りわずか。食事なんかは取材費から出ると聞いていたから所持金も300円くらいしか持っていなかった。下り坂はエンジンを切って下った。

道はだんだん険しくなっていき、途中には断崖絶壁のような場所も多々あった。街灯も無いし原付のライトなんてハイビームでもたかが知れてるから、前がカーブ(下は崖)なのか直線なのか分からず、ゆっくり進んだ。

こりゃ参ったな・・・と独り言を言っても誰もいない。誰もいないから「こりゃ参ったなぁー!!!参った参った!」とアホみたいに叫んでみた。何やってんだろ俺。

 

この時一番不安だったのは、このまま迷って低体温症になって動けなくなるんじゃないか・・・ということだった。リシケシュとは反対方向に進んでいるのであればそれも有り得る。とにかく民家を見つけて聞き出そう。

2時間ほど走って、ようやく5軒ほどの小さな村に到着。そこで村人からガソリンを買うことができた。もちろん英語なんて通じないけど、ここでリシケシュの方角を聞き出すことができた。とにかくガソリン問題は解決できたけど、とにかく風邪引きそうだし、ちょくに心配かけるのが嫌だったから急いでリシケシュがある方角を目指した。

そこから1時間ほど走ると、崖の下に大きな街の明かりが見えた。この時の感動は今でも忘れない。

街に下りて手当たり次第に道を聞くんだけど、観光地でないから誰も英語は話せないみたいだった。その街がどこにある、なんて言う名前の街かは分からなかったけど、リシケシュからはかなり離れた街だった様で、道を聞いても「リシケシュなんてこの時間からバイクでは行けないよ」的なことを言われた。

それでも道を聞くと「リシケシュはアッチだ」と教えてくれた。

 

でもここから困ったことになる。

その後念のため300m先の店でも道を聞いたんだけど、その人は全くの反対方向を指して「リシケシュはコッチだ」と言う。

おい、どっちを信じればいいんだ。

3人目ももちろん、前の二人とは違う方角を指した。この時は本当にインド人に腹が立った。

おい、ふざけんな!

結局7人くらいに道を聞き、統計的に多くの人が指差した方角へ進むことに。途中何度も道を確認しながら進む。

すると見覚えのある道へ出て「リシケシュこの先10km」の標識を見つけた!

良かった!帰れる!

そして22時すぎにようやくリシケシュにたどり着いた。宿に帰るとちょくが心配してくれていた。心配かけてごめんなさい!

とにかく無事に帰れて良かったけど、俺は教訓を得た。

「もうインド人の言うことは信じない

続く。

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