おだやんです!
6日間かけてシバラヤからルクラの真下にある村・Surkeまでやって来たおだやんとちょく。7日目のこの日はついにエベレスト街道へと合流します!
茶番から始まる朝
【Day7】11月25日(晴れ)Surke(2290m)→Monjo(2835m)
7時前に起床。相変わらず寒い。
目が覚めて天井を見たまま呼吸すると息が白くなった。
俺は九州生まれということもあって、寒いのが大の苦手。一方ちょくは幼少期をアメリカ北部のオハイオで過ごしたこともあって寒い方が好きなんだそう。
それにちょく曰く「寒い方が夫婦でくっついてられるから好き」らしい。
確かに暑い国で手を繋ごうとすると「触んないで!!」と怒られる。将来は寒い土地に住んだ方が良いのかも。
・・・
起きてすぐする事と言えばトイレ。
気づいたのはトレッキングを始めてから腸が絶好腸だということ!快便の新記録かもしれない。
その後は朝の恒例となっている「どこまで進むか会議」
ミルクティー(おだやん)とホットレモン(ちょく)をチビチビ飲みながら宿にある地図を見て会議する。
でも「今日はどこまで行こうか」という毎朝の議題に結論が出た事はない。
「行けるとこまで行くとするかね〜」
「そうだね〜」
この茶番劇が終わる頃にだいたい注文してある朝食が出てくる。
バナナパンケーキ(280Rs)、アップルパンケーキ(280Rs)、ホットレモン(70Rs)、ミルクティー(80Rs)

ロッジのメニューが日に日に高くなっていく。シバラヤと比べるとすでに倍以上。
どのロッジのメニューの中でも比較的安いのがパンケーキかチベタンブレッドだから、朝食はだいたいこの2つのローテーションになっていた。
ちなみにメニューには、「プレーンパンケーキ」と別に「パンケーキ with 蜂蜜 or バター」という50円ほど高いメニューがある。
with 蜂蜜やwithバターを注文すると、パンケーキと別に蜂蜜やバターが入った瓶をもらえるんだけど、プレーンパンケーキを頼んでも「蜂蜜かバターちょっとちょうだい」と頼めばかなりの割合でタダで貰える。
メニュー分ける意味無い気がする…
こちら、Surke宿のオーナー夫婦。

シバラヤを出発してからこれまで、各村のロッジで6泊してきたけど、オーナー夫婦が2人とも宿にいたのはここが初めて。穏やかでとても優しいご夫婦で、御飯も美味しいしSurkeで泊まるならココがオススメ。
ロッジの壁にはオーナー夫婦の海外旅行の写真がたくさん飾ってあった。パリとかどこかのビーチとか。恐らく真冬のオフシーズンに宿を閉めて行ってるのだろうけど、2人して「ネパール人にしてはかなり金持ちだな〜」って驚いた。
ロッジ経営ってそんなに儲かるの?
ついに街道へ合流
7時半に宿を出て歩き始める。
宿で見た地図では、このSurke以降はカラパタールやエベレストB.C.までずっと登りになっていた。
もう楽な下りは無い!ストイックに登り続けるのみ!
ちょくが落胆する一方で、俺はこういう過酷な状況が実は大好きだったりする。
・・・
というのも、学生の頃に少々過酷な挑戦にハマってる時があって、中でも無人島生活と北米最高峰のマッキンリー単独登頂が過酷さの極みだった。マッキンリー以上に過酷だった無人島生活はどれだけ過酷だったかというと…
「友達と2人で9日間真冬の無人島でサバイバルに挑戦。持参したのは1人あたり水4Lと板チョコ1枚。ナイフとライターと寝袋は2人で1つずつ。寝ている間は寒すぎるので3時間交代で火の番。2日目から飢え始める。主食はアリ、タンポポ、ヤドカリ。飲み水は泥水を漂流物で作った濾過器で濾したもの。運良く野生化したヤギを見つけて捕獲。あまりの空腹から最初は生のまま食べてしまう。その後干し肉にしようとしたヤギ肉にウジ虫湧いたけどあまりの飢えに耐え切れずウジ虫ごと食べる。嵐が酷くなって漁師が心配し、予定より1日早い9日目で迎えに来て終了」
その後1週間の過食症、さらに1週間の拒食症にかかって、「次からは釣り竿も持って行くべきだ」と後悔した。
この話は需要はあまり無いと思うけど、いつか書こうと思う。
・・・
そんなこんなで過酷さにルンルンしながら歩き始めた。すると早速、村の外れの道が早くも崩れていた。

道とその横にあったロッジらしき家屋もろとも崖下の方へ崩れ落ちていた。
トレッカーを導くオレンジの標識は倒壊した家屋の上を歩くように示している。今にも崩れそうでヒヤヒヤした。
そこから登る登る。1時間ほど登る。
相変わらず荷物は重くて14〜15kgくらいあるんだけど、最初の2日間は何度も「帰りたい」と心の中で叫んでたんだけど、もう重さには慣れてきた。
それに、二人でいろんな事を話しているとあっという間に時間が経つ。1人じゃなくて良かった…
途中マニ石があって道が分岐してた。

どっちだよと思ったら下の方に小さな文字で「左がナムチェ」「右がルクラ」と書かれてた。
もっと分かりやすく書いてください!
ちなみに我々が向かうのはエベレストトトレッカーの一大中継地点となる大きな村・ナムチェバザール。
ルクラは普通のトレッカーがトレッキングを始める空港のある村。
・・・
2時間ほど歩いてチャウリカリカという村に着いた。

いたる所にチベット仏教のお教らしき文字が掘られた石や岩(マニ石)が転がっている。
マニ石はエベレストトレッキングのコース上には至る所にあって、それも数え切れないほど。それを全て人の手で掘っているから信じられない。
それにしても出発から2時間以上経ってるのに、谷を歩いてるせいかずっと日陰で立ち止まるとかなり寒い。
だから汗をかかなくて済むくらいの少し肌寒く感じる格好で歩いて、休憩時に腰に巻いてるフリースとダウンを着る、を繰り返してた。
脱いだり着たり面倒くさい!
・・・
さて、チャウリカルカを過ぎる辺りから、頭上の方からたくさんの話し声が聞こえてきた。
まさか!
これはルクラからスタートした他のトレッカーの声では!!つまりエベレストトレッキング街道のメインコースが近いのでは!
やっと普通のコースに合流できると思ってテンションが上がった。

そして歩き始めから3時間ほどでメインコース上の村・チャプルンのロッジ群が見えてきた!
着いたーーーー!!!!!

いやーーーー長かった!!
飛行機を使う普通のトレッカーだとルクラからこのチャプルンまではたったの1時間。つまり誰も気にもとめず通り過ぎてしまう村。
しかしここまで1週間かけて山越え谷越え峠を越えて歩いてきた我々にとっては特別な村に感じた。
30日間のトレッキングが4章に分かれてるとしたら「第1章完結!」という感じで、達成感が込み上げてきた!

ここまで無事に来れたのは山初心者のちょくが1週間頑張ってくれたから。
この1週間で1回しかシャワー浴びれていないし、道もルクラからのメインコースよりも過酷。
そろそろ初心者を脱して「ヤマガール」を名乗っても良いのでは(この後10日ごとにヤマオンナ→ヤマンバと進化を遂げていく話はまた後日)

可愛い子犬が出迎えてくれた。あまりの可愛さから、帰りはこの子犬がいる宿に泊まることに。
ツアリスティックな街道
ルクラから始まるエベレスト街道…

道が広い!!!
これまでの道と比べると広すぎて違和感がある。

そしてデコボコしてない。山の中とは思えないほどの歩きやすい道。
そしていろんな所で物が売られてる。

トレッキング客向けにカバンや服、靴。お土産もチラホラ。
なんてツアリスティックな街道!さすが年間およそ4万人がトレッキングするコースだけある。
・・・
ふと道の脇を見ると、綺麗な川が流れていた。

伝わりにくいけど、ものすごく透明だった。
浴びたい…
最近シャワー浴びてないから浴びたいけど、絶対冷たい気がする…
通り過ぎるロッジの前には結構な割合でお土産が並んでる。

カトマンズで買えるから誰も買わない気がするんだけど、雰囲気があってこれはこれで良いのかも。
でもスマホまで売っててちょっと雰囲気台無し。でももしかすると地元の人のために売っているのかも知れない。
パグディンでランチ
11時すぎにパグディン村に着く。

結構登って疲れてるし、お腹もすいてきたからこの村でランチ。
外で食べられる雰囲気の良いロッジを選んだ。

入ったのは村の手前の方にある「Green Village Guest House」


けっこう高い…
この宿、部屋代が500Rsもする…普通どこでも200Rsなのに…
エッグカレー(350Rs)

お代わり自由だからとりあえず頼んだけどあんまり美味しくなかった!
高いのに美味しくないとは許せない!
トマトオニオンチーズサンドイッチ(350Rs)

これはなかなか美味いサンドイッチだった!
フライドポテト(350Rs)

食べ過ぎた・・・
毎食食倒れてるかもしれない。だってずっと登山してるから腹が減るんだもの。
そういえばトレッキングを始めてお腹がへこんだ。日本にいる時は175cmで75kg(ほぼ脂肪)もあったのに。たぶん今は60kgくらい。
お腹凹ませたい方、なんとかザップも良いけど、是非エベレストトレッキングをオススメします!!
パグディンからモンジョ
食べ過ぎて歩けない。
でもパグディンからは川沿いを行くなだらかな道で歩きやすかった。

氷河が溶けて流れてくるのだろうけど、なんであんな色をしてるんだろう。
しばらく行くと右手に大きな雪山が見えた。

この距離で雪山を見たのはこのトレッキングでは初めて。エベレストはどれだけ高いんだろう。
モンジョの手前でTIMS(トレッキングID)のチェックポイントがあった。

最初誰も居なくて気づかずに通り過ぎてしまいそうになって、近くにたむろしてた村人数人に突然大声で
「チェック!チェックチェック!」
とツッコまれた。なんかドリフとかひな壇芸人的な総ツッコミが面白かった。笑
その後、モンジョ手前の登りが地味に辛かった。
モンジョの宿と噛めない肉
15時にモンジョに到着。歩き終えるにはちょうど良い時間だったからモンジョに泊まることに。
数軒回って安めで雰囲気の良い宿にチェックイン!

「Namaste Hotel & Lodge Monjo」
宿名に「ナマステ」が付いた宿はこれで何軒目だろう…
ナマステだけじゃなく「エベレスト」やここの民族名「シェルパ」を冠した宿が各村に存在する。
もっと個性を大切にした方が良いんじゃないでしょうか…
宿は1部屋1泊200Rs(=200円)

これまでの宿と比べてとりわけ綺麗で広かった。
この宿、何が良いかって…

枕元にコンセントがあること!!

この宿より下のSurkeですら有料だったのに、この宿は無料。素晴らしい!
早めに着いたので発狂しそうになりながら水シャワーを浴びダイニングへ。

クライマー(トレッカーでなく)の日本人のおじさん3人と一緒だった。
宿のメニュー。



飲み物が高くなってきたから、一番安いお湯だけもらいカトマンズで買っておいた緑茶を飲む。

なんか日本のと違って薄くて深みがない。
テラスがあったか夕暮れを見ながらお茶を飲んだ。
ダイニングに戻ると、アイランドピーク(およそ6200m)に登ってきたというおじさんから温野菜をいただいた。

話を聞くと、奥の方の男性が日本のいろんな登山系組織の代表的なお方で凄かった。
学生時代、アイランドピークに挑戦したものの頂上手前のクレバスを渡れなくて下山したときの悔しさを思い出した。

晩御飯はもちろんダルバート!
ちょくは普通の野菜ダル(400Rs)、俺は初めて肉入りダル(500Rs)を頼む。

肉、硬っ!
ヤクっていう牛の仲間の肉なんだけど、とにかく硬くてゴムみたいで噛み切れない。
ダルバートは美味しかったけど、後半ひずっと肉噛んでたことしか覚えていない。これは本当にやめておいた方が良い。
何はともあれダルバートと温野菜で、この日も無事に食倒れ!
苦しい…

食べ過ぎて顔がパンパンに腫れたちょく(ウソです)
歩き疲れる→食べ過ぎる→日記を書く→寝る
このパターンが定着してきた。食べてすぐ寝るって牛みたい。
社会人時代は超不規則な生活をしてたからか、早く寝られることがいかに幸せな事か改めて気づいた夜だった。
このトレッキングは人生の中でもかなり幸せな日々かもしれない。
使ったお金
【朝飯】バナナパンケーキ&蜂蜜(280Rs)、アップルパンケーキ&蜂蜜(280Rs)、ミルクティー(80Rs)、ホットレモン(70Rs)
【昼飯】エッグカレー(350Rs)、トマトオニオンチーズサンド(350Rs)、フライドポテト(350Rs)
【晩飯】ダルバートベジ(400Rs)、ダルバートミート(500Rs)、お湯2杯(80Rs)
【宿代】1部屋200Rs(モンジョ ナマステホテル)
この日の日記
おだやん
話してる内にチャウリカリカへ。そしてマニ石を過ぎてコースへ!!街道は栄えてる!トレッカーも多い!道も広い!ウキウキしながらパグディンでランチ。オーストラリア人親子3人とイヤミジジイが通る。Monjoの宿で日本人3人に温野菜をもらう。
ちょく
話しをすると、あっという間。そして本日はついに合流!7日間長かった…。コースに入った途端、色々オシャレになる。久々にサンドイッチうまい。最初は歩きやすかったけど、登り多い。これから登りだけかと思うと辛い。
続く!
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