ちょくです!
ついに第一の目的地“カラパタール”で夕日に染まるエベレストを見た、おだやんとちょく。本日は第二の目的地“エベレストベースキャンプ(略してEBC)”に行ってきました!
そこで繰り広げられたのは・・・空前絶後の”ちょく大爆発”!!
※とってもネガティブな内容です。ネガティブ記事が苦手な人はスルーでお願いします。でもこれがこのときの本当の気持ち。曝け出しました。
朝のカラパタール
【Day17】12月5日(晴れ)Gorak shep(5140m)↔︎Everest B.C.(5364m)
昨日の夕方はこのトレッキングで一番の見所とも言えるカラパタールに登り、神秘的な夕日を堪能した。
今日も、朝からカラパタール!
今日は朝日を狙って、朝5時過ぎには宿を出た。もう極寒。なんか歯が痛い。
本当はおだやんに「寒いから寝てな」と言われたけど、「おだやんだけ朝日を見るのはズルい」とムキになってしまい一緒についていく。
でも信じられないほど寒い。
ちょっと後悔しながら、ガッチガチに震えながら、黙々と登る。
今回は朝日を見るのが目的なので頂上までは行かず見晴らしの良いところまでを目指す。
私はこれまでのトレッキングの疲れからか、全然登れない。なかなか思うように足が動かずのろのろと進む。リアル亀ペース。
「日の出に間に合わないから、先に行ってるよ」
おだやんは朝日の瞬間をカメラに収めるために、スタスタ先に行ってしまった。
その後ろをのそのそ行く私。なんだか息が詰まって辛いし、手足の末端はポロっと取れそうな位冷たくて痛いし、もう帰りたい・・・。
せっかくここまで来たのに、頭に浮かぶ言葉が「帰りたい」なんて情けない。でも、それが正直な気持ち。
うつむきながら進むと、地面に黒くてデカイ芋虫が転がっていた。
「よっ。暖かいよ〜」
・・・えっ??
なんと、おだやんが寝袋に入ってぬくぬくしていた。ちょ、ちょっと!道行く人の目線が痛いよ。(笑)
さっきまで悲しい気持ちだったけど、おだやんの顔を見たら笑えてきた。
「温めておきやしたぞ、親分!」
と言って、おちゃらけながら寝袋に歓迎してくれた。足先を入れるとほんわか暖かい!おだやんは人を楽しませる天才だと思う。
2人でぬくぬくしてると、山が太陽の光に照らされてきた。
少しずつ、明るくなる。
CGにしか見えなくって不思議な感覚。
「親分、自撮りしよー!」
ビッグダディとその子どもにしか見えない・・・。
疲れ気味の私を見かねて声をかけてくれるおだやんは優しい。そしてエベレストが見れて本当に楽しそう!良かったねぇ。
・・・
さて、日が昇りきる前に私は寒さに耐えきれず下山。手足がもげる〜〜!
私は夏より冬の方が好きで、寒さは楽しめる方なんだけどここは寒すぎ。
下山する間も絶景!なんだけど、この時は全然景色とか見る余裕なかった。
あとから降りてきたおだやんが、名峰たちを撮ってくれていた。
エベレスト。
プモリ。
そして、昨日は陽が沈んだ後で見られなかったゴラクシェプ村。
なんと、村のすぐ奥は巨大な氷河!
す、すごい・・・。
村の左に氷河が流れてるの分かるかな?正確には凍ってるから流れてはないけど・・・。
氷河からは時折メキメキメキッっていうこの世の音とは思えない地球の悲鳴が聞こえてくる。恐ろしい。
さて、こうして偉大なる山々を拝めて嬉しい反面、ちょくは着々と限界を迎えていたのでした・・・。
エベレストベースキャンプへ
朝食をとったあとは、エベレストベースキャンプ、通称EBCへ。
EBCはエベレストに挑む登山家たちの拠点となる場所。
偉大なる冒険家が足を踏み入れた場所だから、山が好きな人には聖地とも言える。
ただ、ここからはエベレストは見れないらしい。
「え、エベレスト見れないの?」
エベレストを見にきたのに、エベレストを登る人たちの拠点なのに、エベレストが見れないとはどういうこっちゃ。
ここから私のモヤモヤが募っていく。
「じゃ、EBCには何をしに行くの?」
「氷河の上にキャンプサイトがあるらしいよ。あと氷河の上を歩けるよ!」
うーん、氷河はこの前歩いたしなぁ。私達はキャンプするわけじゃないし。このときの私は思考が捻くれてて、何を言われてもしっくりこない。
なんだか何のためにここまで来たのか分からなくなってきた。
カラパタールも登ったし、これ以上何が待ってるの?と、ムスッとする私。めんどくさい女になっている。文句を言うなら行かなきゃ良いのに。
「疲れてるならちょくは宿で待ってていいよ。俺1人で行くからさ。」
「え、それは嫌だよ。一緒に行く。」
休めば良いものを、またしても負けず嫌いの性格から1人宿に残るのは嫌でついていくことにした。残ればいいのに・・・。
カラパタで燃え尽きた嫁
歩き始めたものの、私のモヤモヤは晴れない。
そういえば・・・このモヤモヤは昨日からだ。
私はずっとカラパタールを目指して歩いてきて、やっと昨日、念願のカラパタールまで行ってきた。
そこで見た夕暮れに染まるエベレストはなんとも言えない神々しさがあったけど、一つだけ、不満があった。
「エベレストが一番大きくない!」
そう、カラパタールから見えるエベレストは一番高い山ではなかった。
私はてっきりカラパタールに登れば世界最高峰のエベレストがこれでもかとドッカーーーン!!!って見えるのかと思っていたのでショック。
おだやんに「あれがエベレストだよ」って言われた時は、
おおー!すごーーい!感動!!
よりも、
え、えっ?うそ、なんでええぇ!!
が心の中の正直な感想だった。
無知な私が勝手に勘違いしただけなのに、凄く悲しくなった。誰も騙してないよ、ってあの時の私に言いたい。
そしてカラパタールから下山したあとは、なんだか空っぽになった。
燃え尽きたっぽい。
これまではカラパタールという目標があったから頑張ってこれたけど、カラパタールに登った今(そして想像と違ってショックだった)、この先は何を励みに歩けば良いのか分からなくなってしまった。
この現象を勝手にカラパタ燃焼と名付けることにしよう。
こんな完全燃焼は人生で初めてかもしれない。しかも完全燃焼したあとの私は「燃え尽きたカス」みたいなってしまった。
「燃え尽きたカス」EBCに行く
燃え尽きたカスはムスッとしながら、おだやんの後ろをのそのそ歩く。
目の前の絶景は目に入らない。
素晴らしい景色なのに、素直に見れなかった。虚しい気持ちだけを抱えて歩く。情けない。
ちなみにEBCへ向かう道は氷河を眺めながら歩く氷河トレッキング。
巨大な氷河の横をひたすら進んでいく。アップダウンは激しくないけど、標高が高いからか結構キツイ。
おだやんはずっと私の機嫌を直そうといろんな言葉をかけてくれるんだけど、カラパタ燃焼した私には何も響かない。
それでもめげずに声をかけてくれる、おだやん。燃え尽きた私の心に火を灯そうとしてくれる。
「ちょく、キレイだよ!」
「氷河すごいね!」
「何百万年前の氷だよ!」
「みてみて、層が凄い!」
健気な声かけも虚しく、カスな私の耳には何も入ってこない。おだやん本当にごめんね。
なかなか気持ちが立て直せず、一人メソメソしながら氷河沿いを歩いた。
グズグズ泣いておわったEBC
それでも足は止めなられない。日暮れまでには宿に戻らないと危険だから。
おだやんに励まされながら、力を振り絞って歩く。
すると、見えた!!
EBC到着!!
凄い!けど、素直になれないカス。
うつむきながらおだやんの後ろを進む。この時は思考がネガティブすぎて、捻くれすぎてて、全く素直になれなかった。気持ちが落ちるところまで落ちていた。
今写真を見返して思うのは、
この素晴らしい景色をもっと素直に楽しめたら良かったなぁってこと。おだやんと笑いながら見たかった。
おだやんも全然楽しめていなかった。全ては私のせい。ごめんね。
氷河は迫力がヤバくて、波がそのまま瞬間冷凍されたような形をしていた。
氷河が山からグァーッと続いている様子は圧巻。
人がちっぽけに見える。
こんな大自然の中、私の心は捻くれまくって修復不可能になっていた。
捻くれたカスの1人氷河放浪
この時、捻くれていた私はおだやんの励ましすらも辛くて「1人にして」と言い放って離れたところにいた。ひ、ひどすぎる・・・。
それときの写真が、これ。
氷河に1人ポツン、グズグズ泣いていた。
もはや何が悲しいのかも分からない。
カラパタ燃焼でカスになった私は、何もかもが辛くてただ意味もなく氷河の真ん中で泣いていた。
な、なんだこいつ・・・我ながら超めんどくさい奴だな。
いじけすぎて、氷河の滑り台に石をヒューンと落とす嫁。
このあと、おだやんは「せっかくだから思い出にツーショット撮ろうよ!」って声を掛けてくれたのに、
「どうせブログのために撮ってるんでしょおおお!そんなツーショットは嫌だあああー!」
と泣きながら拒否。
あのときの私に言いたい。いい加減に気持ちを切り替えて!捻くれすぎ、引きずりすぎ、めんどくさすぎ!!
結局、EBCでは猛犬と化した私の遠巻き写真しか撮れず。本当にごめんね、おだやん。
ちょく大爆発!「近寄らないで!」と泣きながら石を投げる
帰り道、もうキツくてキツくてペースが落ちる。気持ちの切り替えも出来ず、未だにグズっている。
それでも進まなきゃ行けない。日が暮れるから。黙々と歩いているときに色んなことを考えた。ネガティブ思考でぐるぐると。
なんで歩いてるんだっけ?
目的は何だっけ?
これからは何を目指せば良い?
カラパタのエベレスト小さかったな・・・
これからの景色も同じなのかな・・・
これは完全なる燃え尽き症候群。
このとき、どんな言葉をかけても無駄だと悟ったおだやんは、何も言わずに見守るように後ろを歩いていた。狂犬に刺激を与えないように、そろそろ〜っと。
でも、それさえもなんだかムカムカしてきた。
一人にしてって言ったのに、なんでついてくんだ!(「一人は危ないから見守りながら歩く」というおだやんの優しさをこの時は理解できていなかった)
もう、なんか、色んなネガティブな感情が重なって、
そして、ついに爆発!!!
「もう近寄らないでー!」
「え、でも道は一本・・」
「おだやんがー!おだやんがカラパタールは絶景って言うからー!
そう言うから頑張ったのにー!
頂上から見たら、エベレストは2番目だったじゃないか!一番高くなかったじゃないかー!」
ポイッ(石を投げる音)
「でも、それは俺も知らなくて・・」
「頑張ったのにー!頑張ったのにー!頑張ったのにー!言う通りに頑張ってきたのにーーー!うおおーん!」
ポイッ(石を投げる音)
「ちょく、落ち着いて・・・」
「おだやんのバカー!カラパタールのバカー!もう嫌だー!トレッキングなんて嫌だー!こんなはずじゃ、こんなはずじゃなかったのに!エベレストは最高峰なんじゃないのー?!?!」
ポイッ
ポイッ
ポイッ
(石を投げる音)
「近寄らないでー!」
ポイッ
ポイッ
ポポポポポイッ
(石を投げる音)
もう感情が
大 爆 発!!
自分でも信じられないんだけど、ついにおだやんに石を投げ始めた私。
え、えええー!
おだやん何にも悪くないのに!
我ながら理不尽すぎる!
ただ、このときは冷静さを欠けていて、頭の中が沸騰して煮えたぎっていた。そりゃもうグッツグツと。もう何も考えられない。
この感情をぶつける捌け口を必死に探して、大事なパートナーのおだやんに全ての感情をぶつけてしまった。
困惑するおだやん。
後日談だけど、この時の私は映画もののけ姫の「しょうじょう」にそっくりだったらしい・・・。
おだやんの喝と謝罪
そして、今まで穏便だったおだやんも、ついに声をあげた。
「ちょく!いい加減にして!ここは標高5337mなんだよ!そんなに興奮したら命にかかわるかもしれない!」
「だって、でも・・」
「ちょく!喚き散らかすなら宿にして!今は俺の言うことを聞きなさい!!」
「シクシクシクシク・・・」
とても大人気ないことをしているのは、自分でも分かっていた。おだやんを困らせていたのも分かっていた。ただ、このやるせなさと辛さと、言葉にできない感情の塊を、どうにか体の外に追いやりたかった。
「ごめんなさい・・・」
「日が暮れたら本当に危険だから!今は謝らなくていいから歩いて!」
この時のおだやんは、本当に冷静だった。そして指示は的確だった。
理不尽に攻め立てられて、石まで投げつけられたのに、私のことを見捨てずに最後まで一緒に帰ってくれた。
・・・
宿に帰ると気持ちも落ち着き、自分のしてしまったことの重大さを実感した。
謝罪に謝罪を重ね、謝り続けた。
そして、夜寝る時、仏陀おだやんが優しく言葉をかけてくれた。
「ちょく、次の目標はゴーキョだよ。そして一緒に怪我なくカトマンズに戻るのがこのトレッキングの目的だよ」
歩く意味を、目標を失った私に、仏陀おだやんが新たな目標を授けてくれた。そもそも歩く意味や目的なんて、トレッキングに必要ないけど、この時の私は何かを目指すことを心の支えとしていたから必要だったみたい。
あんなに怒り狂ったのに、最後まで優しいおだやん。本当に今日はごめんなさい。
今改めて記事を読み返したらとんでもなくめんどくさい奴で、ドン引き。でもどうせ書くならちゃんと書こうと思い、こうなりました。
今ではこの話は夫婦の笑い話!
・・・
この後は、二人で仲直り。仲直りについては次の記事で。
さて、一波乱あったEBCを乗り越え、次なる目的地「ゴーキョ」に向けて歩みを進めていきます。
続く!
使ったお金
【朝飯】ホットレモン小ポット(500Rs)、シェルパシチュー(1100Rs)、ミネラルウォーター(350Rs)
【昼飯】持参したエナジーバー
【晩飯】ホットレモン小ポット(500Rs)、ヌードルスープ(500Rs)、トマトチーズピザ(700Rs)
【宿代】200Rs
この日の日記
おだやん
朝からちょくがひねくれ&ふてくされ。めんどくさい。EBCも楽しくなかった。氷河の上に立てた。少し頭が痛い。夜はモーレツ頭痛。朝のカラパタは激寒&景色普通・・・。
ちょく
カラパタに朝から行く。寒くて途中リタイア。辛い。色々辛くてEBCで爆発。息はできない、滑る、自分歩くの遅い、など、山が辛すぎて、おだやんに当たりまくる。カラパタに登ったあと、何を目標に歩いているのかわからなくなってしまった。おだやんごめんなさい。
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