エベレストトレッキング16日目(Lobuche→Kala Pather)夕日に染まるエベレスト

おだやんです!

ロブチェで休養中、ちょくの社会人よさこいチームの仲間イチローさんと合流したおだやんとちょく。

さて、この日はこのトレッキングコースで最も標高の高い村・ゴラクシェプへ向かい、さらにエベレストを間近で見られるカラパタールの丘で夕日に染まるエベレストを見てきました!

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万能シェルパシチュー

【Day16】12月4日(晴れ)Lobuche(4910m)→Gorakshep(5140m)→Kala Pather(5545m)→Gorakshep

起きると室内はものすごく寒かった。たぶん零度を下回っている。

嬉しいことに、昨日続いた高山病による軽い頭痛は消えていた。

 

夜、寝る前に注文したお湯ポットを枕元に置いておいたんだけど、起きたらまだ温かくてビックリ!

朝あまりに寒かったから、寝起きにお湯を一杯ずつ飲む。

高山病にはとにかく水分補給が大切。夜トイレに行ったらその都度出した分水分を補給しなくちゃいけない。でも冷たい水なんて飲んでたら体温を下げて高山病真っしぐら。

特大サイズのポットを頼んで枕元に置いておくの、オススメです。

朝は2人ともシェルパシチュー。

シェルパシチューは、高山病にかかった時や食欲が無い時などに地元のシェルパがオススメする料理。

これが優しい味で、栄養満点、身体も温まり、水分補給もできるから万能!

ゴラクシェプへの道のり

朝8時に宿を出て歩き始めた。

8時頃になると気温も上がっていくので、フリースの上にライトダウンでちょうど良い感じ。

それにしても目の前の山の迫力が凄い!

これまで見た山の中でも断トツ!アマダブラム並みに美しい!

前を向くたびに巨大な山塊が視界に飛び込んで来るもんだから、二人で「ふぇ〜!」とか「ふぉ〜!」とか「おぉ〜」なんて感動しながら歩いた。

出発してすぐ、後ろの方からヘリが飛んできた。

どうやらさっきまで滞在していたロブチェに降り立つ模様。

頭を抱えた白人男性がガイドらしきネパール人に肩を支えられながらヘリへと乗り込んでいく。

おそらく高山病だろう。

昨日も同じ宿のトレッカーで高山病にかかって頭痛を訴えていたのはほとんどが男性だった。とくに大柄の男性ほど辛そうで、ちょくをはじめ小柄な人は元気そのものだった。

もしかしたら小柄な人の方が膀胱が小さいからトイレの回数も増えて、それに応じて尿と共に二酸化炭素が排出されるから血中の酸素濃度も下がらないのかも。

一昨日も通ったピラミッドへの分岐。

一昨日は古い地図を信じ、ロブチェとゴラクシェプの間にかつて存在した村がまだあるものと思い、日暮れ間近にも関わらず先へ進みそうになった。

5000mを越えた場所で日暮れ間近にあるはずもない村を探すなんて、今考えると本当に危ない事をしたんだな。

地図って大切。

 

草地で何かを拾う男性を発見。この男性が何をしてるか分かりますか?

正解は

『蒔の代わりとなるゾッキョ(牛の仲間)の糞を集めてる』です!

草を食べるゾッキョの糞はほぼ繊維の塊だから、乾燥させると木と同じように燃える。地元の人にとっては家畜のうんちも大切な資源。

さて、前方には馬に乗って上がるトレッカーがいた。

馬に乗っていたのは、ロブチェの宿で少しだけ話した太っちょの香港人だった。ロブチェの時点で高山病でかなり辛そうにしていたから、馬を雇ったのかも。

楽そうに見えるんだけど、悪路をそこそこの速さで歩くから、香港人のおじさんはユッサユッサと激しく揺れた。馬で進むのもそれはそれで辛そう。

1時間ほど進むと大きな坂とゴミ箱のある休憩スポットが見えた。

数人が休憩していた。こういう休憩スポットでは他のシェルパやトレッカーと挨拶を交わすことが多い。ちなみにネパール語で「こんにちは」はインドと同じ「ナマステ」。

このトレッキングでは、我々は欧米人トレッカーからよく「ナマステ」と挨拶されることが多かった。欧米人からすると日焼けした日本人はシェルパと一緒に見えるのかも。

そういう時は全身全霊を込めて「ナマステぇぇぇえ!!」と言っておいた。

 

休憩スポットから先が辛かった。

平坦な道が急にゴツゴツした岩場に変わった。道もあって無いようなレベルで歩きにくい。

それでもちょくは泣き言を言わずに登り続ける。

この日、ちょくは”山ガール”から”山オンナ”へと進化しそうな気配があった。

だって俺でもヒイヒイいってるのにちょくは5000mでもこの余裕っぷり。

山ガールが、オシャレでカラフルなウェアを着て高尾山の頂上で「紅葉が綺麗だね〜(ハート)」なんて言う女子だとしたら・・・

山オンナは、シャワーを浴びずに日焼け止めも塗らずに半月もエベレスト街道を登り続け「あ〜腹減った!今夜もダルバートだな!」なんて言う女子。

最終形態”ヤマンバ”は進化してからのお楽しみ。

このロブチェ〜ゴラクシェプ間を登っている時に見える、右手の大きな山はヌプツェ(7861m)。なんともカッコいい!

金髪美女がカメラマンと手を繋いで撮る、よくあるオシャレな写真を真似して撮ろうとしたんだけど・・・

なんか違う。

「チンチクリンだし、こういうのオシャレな写真は似合わないよね」と笑い合う。チンチクリン!

少し登ると氷河が見渡せた。

氷河を見るちょく。

氷河は文字通り氷の河で、少しずつ川のように移動している。砂が被って氷河に見えないけど。

下流の方を見ると分かりやすい。

砂が邪魔だけど青くて綺麗。

そして我々が歩いてるこの道も・・

実は氷の上だった。

氷の上に砂や岩がゴロゴロしていて歩きにくいったらありゃしない!

前からジュンベシ以降ほぼ同じペースで登ってきたオーストラリア人親子3人が降りてきた。無事カラパタールへ行けて、これから帰るそう。高校生らしき息子たちもよく頑張った!

足元が岩場から砂地に変わった。山なのに砂地って不思議。

酸素も薄いし、足元も悪いし、景色も変わり映えしないし、この道辛いぞ!

ついにゴラクシェプ到着

ロブチェから歩き始めて3時間。

最後の村、ゴラクシェプが見えた!

標高は5160m。エベレストに一番近い村だ。

ロッジは4軒ほど。

宿に入ろうとしたら・・

ネットカフェ発見!

5160mにネットカフェ!すげえ。

一番手前の宿が一番人気がありそうだったので、そこにチェックイン。

すると、ちょくのよさこい仲間でロブチェで久しぶりの再会を果たしたイチローさんが先に着いていた。

一瞬馴染みすぎてシェルパかと思いましたよ・・・

ロブチェで出会ったインド人弁護士のアダーシュ(左)とスペイン人のナターシャ(中)たちと合流!ちなみに日本人にも見える右の彼はフランス人。

そしてキンジャから一緒のフランス人カップル、クリス&エミリーも!

少し頭痛がしていて辛いけど、みんなに会えて元気が出てきた。

この後イチローさんとお昼を一緒に食べた。この宿、ピザが美味しい!

カラパタールの丘へ

昼食を終えてひと休みしたあと、夕日に染まるエベレストを見るため14時にカラパタールへ出発した。

ゴラクシェプのすぐ前にある茶色い丘が皆が目指すカラパタールの丘。ゴラクシェプからさらに400m登らなきゃいけない。

宿の犬が付いてきた。

3匹が仲間に加わった。励ましてくれてるようで元気が出る。

看板。

イチローさんも一緒!年上なのに気さくで本当に面白い。

残念ながらワンコ達はここで帰って行った。

登る。

どんどん登る。

丘の向こうからプモリ(7161m)が顔を出した。

結構登った!下に見える砂地はヘリポート。トレッカーが残していった石文字がたくさん。

カラパタールの頂上かと思ったけど、どうやらあれは違うそう。

この時の絶望感たるや・・

たかが400mの丘なんだけど、標高は5000mを越えていて酸素も薄いから一歩が重い。息もすぐ上がるから本当にゆっくりとしか進めない。

あれも頂上じゃないらしい。辛い。

さっき会ったばかりのクリスが上から降りてきた。

もう頂上に行ってきたらしい。速すぎる・・・シェルパか!

夕日が見たかったけど高山病が辛くてこの日のうちにロブチェへと戻るそう。彼らもこれからゴーキョへ行くので、また会おうと約束し別れた。

まだ頂上は見えない。どう見てもアレが頂上に見えるのに違う模様。

1時間は登ってるのに…

途中少しなだらかな道に差し掛かった時にイチローさんが何かに気づいた。

あれは!

エベレスト!

広角レンズで撮ってるから、実際は写真よりもう少し近く大きく感じた。

そして突如天使の輪っかのような雲がエベレストの上に現れた。

2週間前、ジュンベシの先から見た時は豆粒くらいにしか見えなかったのに、ここまでくるとデカデカと見えた。

夕日に染まる前に上に着きたいので少し急いだ。

イチローさん速すぎる。

近く見えるけど実はかなり先にいる。

仲良くなったインド人のお兄さん。数日後、彼が過酷な峠を一緒に越える仲間になるとはこの時まだ知らなかった。

プモリとイチローさん。

プモリがあまりにも高すぎて、斜面で写真を撮ろうとすると後ろに倒れそうになる。

そして登り始めて2時間、ようやくカラパタールの頂上が見えた!

そして登り始めてから2時間半。

ようやくカラパタール(5545m)の頂上に到着!!

 

シバラヤから登り始めて16日目。やっとたどり着いた最初の目的地。

達成感に満ち溢れ感動したいのはやまやまだけど、息が上がってそれどころじゃない。

ちょく、よく頑張った!

エベレストと反対側の景色。

やったぞー!と、エベレストをバックに記念写真。二人とも顔がヘトヘト。この写真は将来リビングにでも飾るとしよう。

さて元気なちょくとイチローさんが、かつて一緒に踊ったよさこいのポーズ!

「天空しなと屋  しん  花城(ハナグスク)」with Everest !!!

二人が所属していた「天空しなと屋 しん」は、超有名な強豪よさこいチーム。関係ない俺が自慢して申し訳ないけど、ミラノ万博など海外にも呼ばれたりするんです!

 

夕日に染まるエベレスト

さて、午後5すぎ、山々が夕日に染まり始めた。

遠くに見えたのは”母の首飾り”の名を持つアマダブラム。

そしてちょくの目線の先には・・・

夕日に染まっていくエベレスト!

中央奥の黒い山がエベレスト。手前のエベレストよりも高く見える山はヌプツェ(7161m)。

レンズ雲みたいな不思議な雲。

プモリも夕日に染まる。

アマ・ダブラムも。

ここからエベレストが毎分色を変えていく。

もう言葉にならなかった。

 

時間とともにこんなに色が変化していく絶景を他に知らない。

 

人生で一番山に感動した日だった。

 

本当に来てよかった。

 

暗くなる前に下山開始。日が暮れると物凄く寒くなった。マイナス10度は下回ってた気がする。

暗くて何も見えない。ヘッドライトを使ってても暗すぎる!暗いし寒いし本当に辛かった。

駆け足で降りたから1時間ちょっとで下山できた。

本当に寒くて、後半手足が痛かった。

宿に着くとみんなグッタリ・・・

暖炉の前から離れられない。

イチローさんと俺、なんか似てる気がする・・・

疲れたけど、無事に夕日に染まるエベレストが見れて本当に良かった。

 

夜、外に出るとこれまでで一番星が綺麗だった。

満月に照らされるヌプツェと星空。

新月の時はもっと綺麗なんだろうな。

 

寒い中、夕日に染まるエベレストを思い返しながら眠りに落ちた。

 

さて、明日はエベレストベースキャンプへ。そこで夫婦史上、最大最悪の夫婦喧嘩が勃発することに!!

続く!

使ったお金

【朝飯】シェルパシチュー2つ(900Rs)、お湯小ポット(300Rs)、バッテリーチャージ2時間(600Rs)

【昼飯】ボイルポテト(500Rs)、ベジフライドライス(650Rs)、お湯Mポット(760)

【晩飯】シェルパシチュー(550Rs)、ダルバート(750Rs)、お湯大ポット(1050Rs)

【宿代】ツイン1泊200Rs

※ゴラクシェプの宿のメニュー写真は2日後の18日目の記事に載せています。

この日の日記

おだやん

馬で進む金持ちがいた。ゴラクシェプ着くとイチローさん。ひと休みして14:15にカラパタールへ。エミリーは宿待機。クリスは途中で会う。ゾンラで会おうと約束。カラパタールきつい!!でも夕日エベレストは超キレイ!夜は星もキレイ!!

ちょく

朝、日本語勉強中のシェルパに「アイシテル」と言われる。ついにゴラクシェプ!砂がサラサラで山じゃないみたい。イチローさんからもらったピザが超美味しい。ついにカラパタへ。ゴールが思っていたよりも遠くて辛い。夜は暗くたくさん滑る。皆、おつかれ。

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