ちょくです!
秘境温泉を求めてダルミジャ村まできた、おだやんとちょく。
残念ながら温泉は決壊していたけれど、村の皆さんのおもてなしが嬉しかった。
さて、今日は!!
なんと村総出の《ネ◯ミ退治》を目の当たりにすることに・・・!
手厚すぎるおもてなし
朝は寒さからプルプル震えて目が覚めた。
さ、寒い・・・!

あまりに寒いからこの村の標高を3人の村人に聞いたけど、みんな違う答えで結局よく分からず。
一つ分かるのは、
標高8,167mのダウラギリが目の前。す、凄い。

ダウラギリは世界第7位の名峰。
それが家の裏にドンッと!迫力満点!

朝起きたら近所の人と「あら〜今日もダウラギリが綺麗ね〜」って言う朝。こんな贅沢、中々ない。
ネパールの人にとっては、雪山って本当に身近な存在なんだろうなぁ。
寒々しながら家に戻るとみんな自然とキッチンへ。

この家で一番暖かい場所はキッチン。だからみんな自然と集まり肩を寄せ合う。なんか良いなぁ。
おばあちゃんが、朝ごはんを出してくれた。

ポップコーンと、チベタンブレッド。

昨日のダルバートに続き、本当に良くして頂き有難い。そして何もお返しが出来ないのが歯痒い・・・。とにかく感謝の気持ちを何度も伝えた。
朝ごはんを食べていると、昨日お世話になったドンクマルがやってきた。
ドンクマルはこの村出身で、今は村で学校の先生をしている。若者の中には「こんな田舎出て都会で暮らす!」と言う人もいる中、彼はダルミジャ村に貢献したいと奮闘している。

爽やかな笑顔で、革ジャンを着こなすオシャレさん。
そんなドンクマルが「是非うちにも遊びに来て欲しい!」と自宅に招待してくれた。

ドンクマルは、実家暮らし。
モテそうだけど、現在彼女はいないそう。村の恋愛事情を聞いてみると面白い話が聞けた。
「村内の恋愛はほとんどないよ。もう村全体が顔見知りで家族みたいなもんだからね。俺も村の女子と付き合うとか、絶対ない!恋人は近隣の村で見つけることが多いよ。お祭りとか、冠婚葬祭とか。特にお祭りは仲良くなるチャンスがあるから気合い入れる!」
ほぉ〜〜。なるほど。
村の人はもう家族同然なんだね。お祭りで恋人探しって斬新!きっと渾身のオシャレで行くんだろうなぁ。
そんなトークをしているうちにドンクマル家着。数分で着いた。
靴を脱いで、お邪魔します!

お家に上がると、ドンクマルのお母さんが出迎えてくれた。
出してくれたミルクティーか温かくて美味しい。

家に上がってすぐ、ドンクマルは学校に行く準備をしなきゃ!と、部屋へ行ってしまった。
キッチン兼リビングにはお母さんと私たちだけ。お母さんは一切英語が話せないので会話も出来ず、蒔きがパチパチと鳴る音が響く。

ゴザの上で正座する私たちと料理をしているお母さん。ちょっと緊張。


ロケンドラの実家もドンクマル家も、料理をするかまどが素敵で見惚れる。おだやんとよく観察していると、空気の通り道があったり結構緻密に作られている。凄いなぁ。
ポーッとしていたら、お母さんがお皿を取り出したのでまさか・・・
と思ったら!

ダ、ダ、ダルバート!

戻って来たドンクマルも
「ささ、食べて食べて!遠慮しないで!2人のために用意したんだ!チキンもあるからね!沢山食べて!」
と笑顔ですすめてくれる。
「早く!冷めないうちに!」
と、とても嬉しそう。
朝から私たちのためにチキンカレーとダルバートを用意してくれていたなんてビックリ。これは予想外の展開。
しかも、チキンカレーなんてこの村では超贅沢品なはず。
だって、
この村で「鶏料理を出す」ということは、大事な家畜を1匹殺すということ。
都合よく「もも肉300g」なんて売ってないし、冷凍庫もないから保存も出来ない。
そんな鶏肉料理を、朝から出してくれたということ。もうこれ以上のおもてなしはない。
男性陣は昨夜、夜遅くまで飲んでいたから、きっと朝一から鶏を締めてお母さんに頼んで作ってもらったんだろうな。
ダルスープをご飯にドバッとかけて、手でいただく。

昨夜泊まったロケンドラの実家もドンクマル家も、スプーンは出てこない。なぜなら手で食べるのが一般的だから。
それに、ネパール人はみんな口を揃えて「ダルバートは手で食べるのが一番美味い!」と言う。確かに手の方がダルスープが米によく絡み美味しい気がする。
チキンカレーもダルバートも本当に美味しかった。チベタンブレッドを食べたあとで最後お腹がはち切れそうだったけど、残すものかと完食。
ドンクマル、お母さん、ご馳走様でした!そして本当にありがとう!!!
村総出のネズミ退治!
美味しい朝ごはんをご馳走してもらいドンクマルやお母さんと食後のティータイムをしていたら、なにやら外が騒がしい。
まるで小さいお祭り?と勘違いするようなガヤガヤが聞こえる。
気になるのでお母さんにお礼をして、ドンクマルと外へ。
すると、すぐ近くでトウモロコシを下ろす作業をしていた。

1人の男性が結んであるトウモロコシの皮をザクザク切って地面へ投げていく。
このトウモロコシは、数軒の家が合同で干しているものらしい。

作業してるのは男性1人なのに、周りにやたらと人が多い。トウモロコシを下ろすだけなのに、なんでこんなに盛り上がってるんだろう。

少し不思議だけどこれも村の風物詩なのかな?なんて呑気に眺めていたら、
次の瞬間!
ぴょんぴょんぴょん!
ウオォリャアアアー!
ビシバシ!!
バンバンバン!!
・・・え?
今、何が起こりましたか?
なんか小さな物体がトウモロコシの隙間から飛んできて、その物体に向かって男たちが一斉に棒を振り下ろした。でも、あまりに一瞬で何が何だか分からない。
「ドンクマル、今のは・・・」
「ははは、ネズミ退治だよ!」
ネズミ退治ーー!!
あ!落ちてるトウモロコシをよーく見ると、かじられてる!!

え、ってかめっちゃ食べてる!(笑)
お祭り騒ぎの正体はネズミ退治だったのか!!納得!!!
お父さんはどんどんトウモロコシを下ろしていくんだけど、周りの男性は今か今かと棒を手に身構えてる。中には小学生くらいの子どもも。
そしてトウモロコシの隙間から、出るわ出るわネズミたち!!
そんなにいる?!ってくらい、めっちゃ出てくる!!トウモロコシをガサッとすると、6〜7匹くらいのグループがいっぺんに四方八方へ飛んでいく!
そして、それを逃さない村人たち。瞬発力が半端なくて一振りで仕留める。しかも容赦無くスパーーーン!と。中には靴で踏む人も。しかも弱ってヨロヨロしてるネズミは尻尾を掴んで地面に叩きつけて息の根を止める!怖い!
みんな慣れた手つきでネズミを仕留めていくから、きっと毎年の恒例行事なんだろう。それにしてもちょっとネズミが気の毒になるくらい殺気が凄い。
ここで仕留めないと、貯蔵庫も荒らされるもんね。これは食料を賭けた人間とネズミの壮絶な闘いだ。

作業はどんどん進んでいく。最後のトウモロコシが下される頃には、ネズミの山が出来ていた。
(※この先ネズミの写真があるので見たくない人は飛ばしてください)



最終的にはこの2倍くらいのネズミが退治された。

中にはトウモロコシの隙間で産まれたと推測される赤ちゃんネズミと親ネズミ家族も。
なんか、もう、凄い・・・。
必死に逃げるネズミも、絶対に逃さないという村人たちも、なんか色々全部凄かった。
トウモロコシは重要な食料。それを村総出で守る姿はとても頼もしかった。
朝から凄いものを見たなぁ・・・。ダルミジャ村、一泊しかしてないのに内容が濃すぎる。
村作業を体験&見学!
「トウモロコシ下ろし&ネズミ退治」というビッグイベントが終わるとひと段落かと思いきや、まだまだ作業は続く。村人は休むことなく動く!
ワラの束を運んでいる村人がいたのでお手伝い。山に同化してるけど。


これが案外重かった。
そして、トウモロコシはその日のうちに全て削る。

実を芯から削り落とすという作業。猛スピードでゴリゴリやっている。

もちろん、芯も大事に取っておく。これは料理するときに良い燃料になる。隅々まで使うってステキだな。

見ていたら「やるかい?」と声をかけてくれたので、やらせて頂くことに。

鎌の裏でゴリゴリ削ぎ落とす。トウモロコシはカラッと乾燥しているので、そこまで力を入れなくてもポロポロと落ちていく。まさに、ポップするまえのポップコーンみたいなポロポロさ!

とても貴重な体験でした!
ロケンドラの実家に戻る途中、子どもを抱えたお母さんに遭遇。
凄い斬新な抱え方で、三度見した!!

頭で荷物を持つのはネパール定番で見慣れているけど、
なんと子どもはカゴの中!

これは凄い。
子ども的には開放的で良さそうだなぁ。でも真似できない。いやー凄い。
その後、今度はゴザを編むおじいさんに遭遇。ドンクマルのおじいさんということで見学させてもらうことに!

笑顔が柔らかくて、とても優しいおじいさん。

少しずつ少しずつ、丁寧に編み込んでいく。

長さが足りなくなったところは、新しい竹を差し込む。その繋ぎ目が分からないように、キュッと丁寧に。
これは職人技!

角の部分は織り込んでいて、これもまた職人技!お見事すぎる!!

材料となる竹もおじいさんが山から採ってきて細く裂き乾燥させたもの。
原料から100%完全に手作り。これぞ、THE自給自足で感動した。凄い!
家に戻ると、おばあちゃんが庭で倒れてる?!


と思いきや昼寝をしていた。ポカポカ陽気で、気持ち良さそう。
そうそう、この家は石と土で出来ているんだけど、ひとつ忍者が使いそうな面白い階段があった。
それがこれ。上から見た図。

正面から見た図。4つだけ石が壁から飛び出てる!!

トイレは家の中ではなく離れなのでこの階段を使うんだけど、すごく子供心をくすぐる設計だと思いませんか!

なんか隠し階段みたいで、忍者になった気分でこの階段が凄くお気に入り。
はぁー、一泊二日の滞在なのに、もう1週間くらい村にいるような気分。それくらい濃厚な時間。5分に一回は凄いって言ってる気がする。本当にダルミジャ村に来て良かった。
学校を突撃訪問!
さて、村を出る時間が迫って来た。
ロケンドラやドンクマルからは「もっと泊まっていきなよ」と言われたけれど、さすがに連日ご馳走になるわけにはいかない。
寝床だっておばあちゃんのベッドを借りているし、気を遣わせてしまうので一泊だけにした。
ロケンドラのお母さんにお礼をして、出発!


お母さん、本当にありがとうございました!!!
村を出る前に、学校に寄ってくれ!とドンクマルにお願いされたので学校を見学させてもらうことに。

左の建物が学校。校庭にはなぜか牛が野放しになっていた。自由か。
学校の窓から子どもが見えると思ったら、ロケンドラの姪っ子のラクシュミちゃん!

私たちに気付いて手を振ってくれた。
私たちが訪れたのは、低学年の教室。ドンクマルが案内してくれる。

教室に入ると元気な子どもたちが!
みんな可愛い!

10人くらいで、昨日遊んだラクシュミちゃんとそのお友達もいた。
赤チェックのシャツにエンジのセーターという制服も究極に可愛い。

壁には動物の絵と名前など、低学年らしいお部屋。電気はなく、窓からの天然の光でお勉強。

当番表もあり、和む。カップの中には生徒の名前が書かれた紙が差し込まれていた。

とにかくみんな元気で、突然の訪問客に大はしゃぎ!

何をお勉強しているのか見せてもらうと・・・

イラストに線が引かれていて、目、口、耳、と身体の名前を覚えるお勉強みたい。
子どもたちは、イラストごとノートに書き込んでいて、それを見て見て!と笑顔で見せてくれる。




みんなイラストが個性豊か!一生懸命勉強している様子を見るのは嬉しい。

ん?ラクシュミ、頑張れ!
少しだけだったけど、学校の様子を覗かせて貰えて良かった!みんな、元気でね!

そのあと、ドンクマルが「ぜひこの部屋も見てくれ」と鍵のかかった部屋へ案内してくれた。
その部屋は、パソコン室。

まさか、ダルミジャ村にパソコンがあったなんて・・・失礼だけど、あるとは思わなかったからビックリ。
米やトウモロコシまで育て、自給自足で暮らしているこの村にパソコンがあるなんて想像もつかなかったよ。
ちゃんとプリンターも。

パソコンは村出身の方々の寄付で購入したものだそう。部屋には寄付してくれた人の写真が額縁に入って飾られていた。
地図にもない、ダルミジャ村。貧しい村で温泉を直す目処もたっておらず、毎日を懸命に生きることで手一杯と言っていた。
でもこの村は悲観的じゃない。ちゃんと未来に向かって進んでいる姿がとても輝いて見えた。なんて素敵なんだ!本当に、どこまでも応援したい村が出来た。
・・・
見学の後は、学校の先生勢揃い。

この村によく来てくれたありがとう!とお礼を言われたけど、むしろお礼を言いたいのは私たちの方だよ。
女性の先生は、背中に赤ちゃん。

おんぶしながら授業をするそう。凄いなぁ。
こ村には学校はひとつだけ。しかも小学校まで。だから中学以降はみんな山を越えて隣村まで通んだって。山を越えるって・・・言うのは簡単だけど、凄いよ。
最後はみんなで。ドンクマルが撮ってくれた。

さて、学校訪問を終えついに村を出ることに。もっと居たかったけど、これ以上遅くなると歩いている途中で暗くなってしまう。名残惜しいけど、お別れ。

一泊二日と短い滞在だったけど、とてつもなく濃い時間だったダルミジャ村。最初は温泉目的だったけど、それ以外にも沢山のことを学んだ。そして暖かいおもてなしもしてもらった。
最後、ドンクマルと別れ際、「温泉の修理費にしてほしい」と2000ルピーをコッソリ手渡した。
いつか、また村に温泉が復活しますように。頑張れダルミジャ村!


来た道戻る帰り道
ダルミジャ村を出発し、ポカラを目指す。今日中に着けますように。

私が腰にぶら下げている黄色い袋はドンクマルがお土産に持たせてくれたもの。
中身は「グラウンドアップル」。おだやんがご馳走になった不思議なフルーツで、あまりにもおだやんが驚くからお土産に持たせてくれた。

「ちょく太郎さん、お腰につけたグランドアップルがお似合いですねー、よ!ちょく太郎さん」
「ついてこい、猿吉!」
「は、はい・・」

ちょく太郎御一行、今日も元気に山を駆け下ります。


途中、仲間を発見!

子牛を仲間にスカウトしたけど、振られてしまった。残念。
早歩きで崖沿いを歩いたら、行きよりも早くダグナム村に到着。
ここでクリシュナさん家を再訪問。

目的は、預けていたカバンを受け取るため。ダルミジャ村へ行く前に重い荷物を置かせてもらっていたのです。
奥さんはちょうど学校が終わった時間帯で、一緒に家へ。


娘ちゃんも学校に連れて行くそうで、背中におんぶしながら授業するか、手の空いてる先生に見ててもらうんだって。お母さんに優しい職場だ!

荷物を受け取り、再び出発!

荷物、ありがとうございました!
・・・
ここからは、ひたすら来た道を戻るのみ。


ガネーシャ村に着けば、そこからタクシーでベニまで、そしてベニからは大型バスでポカラまで行ける。
そして、ガネーシャ着!

ちょうどよくタクシーが現れ乗車すると、ベニにあっという間に到着。
ベニからは大型バス。15時過ぎでまだあるかどうか心配だったけど、難なくチケット買えた!

バスに乗り、ふぅーっと深呼吸。
これで秘境温泉巡りも終わり。
タトパニ温泉に始まり、ラトパニ、シンハ、そしてダルミジャ。
合計4つの温泉を堪能して大満足。
でもそれよりも、今回は村人との距離がとても近かった。村でのホームステイは驚きと発見の連続で学びばかりの時間だったし、食べて食べて!と沢山ご馳走になった。とても貴重な体験が出来たトレッキングでした。
村人のみなさんには感謝しかない。いつかまた訪れて、恩返しがしたい!
ポカラ行きのバスに揺られた帰り道、夜ご飯はサービスエリアで豆カレーとゆで卵。

はぁー、終わった!
秘境温泉巡りトレッキング、完!!
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