おだやんです!
2週間の南アフリカ・ナミビアレンタカー旅の真っ最中のおだやんとちょく。前回はナミブ砂漠の宿泊地セスリムへと到着し、夕日に染まるナミブ砂漠の絶景を楽しみました。そして11日目のこの日はついに念願だったナミブ砂漠の奥地・デッドフレイへ!
このデッドフレイに行くにあたり、実はおだやんは密かにとある絶景写真を撮る計画を練っていました。
その写真とは、こちらの一枚。

よく見せた人に「これって絵なの?」と言われますが、デッドフレイに生える木の写真です。これはデッドフレイで明け方の一瞬しか撮れないんです。
結果として思い通りの一枚が運よく撮れた訳ですが、この記事ではデッドフレイへの旅記事だけでなく、一枚の風景写真がどうやって出来上がるかという過程も公開しようと思います。これから美しい絶景写真を撮りたい方の参考になればと思います。
砂漠を撮るためにはとにかく早起き
今回撮りたかったデッドフレイの写真を含め、ナミブ砂漠で写真を撮るには朝焼け・夕焼けのタイミングがベスト!そのためには早起きが欠かせません!
4時半に起きて朝の5時半に開くゲートに並ぶ。

このゲートからデッドフレイのある場所までは60~70kmほど。絶景が撮れる一瞬に間に合わせるためには、誰よりも早起きして先頭に並んで、とにかくデッドフレイまで急ぐのみ!運よく先頭をGET!
ここでのポイントは公園内のキャンプ場に泊まっておく必要があること。

ナミブ砂漠に入るためのゲートは二つあり、ひとつはキャンプ場に入る第1ゲート。もうひとつは国立公園に入る第2ゲート。問題なのは第1ゲートが5時半には開かないこと。だからキャンプ場に泊まっておくことは必須!
時間になりゲートが開くとまさにレースゲーム状態。誰か死ぬんじゃないかと思うほどみんな飛ばしてました。狂ったようにスピードを出す数台(多分200km/h超)には先に行ってもらいましたが、なんとか急いで目的地のシャトルカー乗り場へ。

レンジャーのおじさんがサファリカーと一緒に待ってます
というのも、デッドフレイの数キロ手前から道がなくなり、砂漠の中を走ることになります。大型の四駆に乗った観光客以外はここでシャトルカーに乗り換え、デッドフレイ手前まで送ってもらう必要があります。
そこそこ人数が揃えば、満員にならなくても発車してくれます。

おじさんたちは砂漠での運転が上手
あとで分かったんですが、どんなにゴツい四駆のレンタカーを借りてたとしても、このシャトルカーに乗ることを超絶オススメします。
慣れない砂漠を運転し、スタックする外国人観光客をよく見かけました。砂漠なんて走ったことない人であれば、なおさらリスキーなので、大人しく砂漠に慣れたドライバーの運転するシャトルカーに乗りましょう。
ああ、日が昇る。

あとで分かったことだけど、夏のナミブ砂漠では「砂丘の上から日の出を見る」ということは時間的に不可能です。
デッドフレイへ急げ
数キロ走ってシャトルカーはデッドフレイ近くに到着!
ナミブ砂漠最深部とあって本当に静かです。ここからデッドフレイまでは徒歩で移動します。

急げ〜!!

猛ダッシュ!

西の方には月と砂丘。

6時すぎに日が昇ってきました。

完全な無音の中、灰色だった砂漠が一気に赤く染まっていく。



ナミブ砂漠の特徴は、とにかく砂が赤いこと。

ネット上ではかなり赤い砂漠の写真がありますが、実際はこんな色です。赤いと言っても、他の砂漠より赤いというくらいです。

動物の足跡発見。

砂丘の稜線を歩く。

標高が高くなり遠くの大砂丘も見えてきました。
稜線の光と影が神秘的。

そして右手下に白い盆地を発見!

ここが「デッドフレイ(死の沼)」。ここだけ乾いた白い砂漠になっていて、そこに枯れ果てた木が生えています。

このデッドフレイ、太陽が全面に当たる昼間は下のように見えます。


後ろの砂丘は実はかなり高くて、アップで撮ると背景がまるで夕焼けの空のようなオレンジ色の空間に見えるんです。
しかし今回撮りたい写真の条件は、このデッドフレイが完全に左の砂丘の日陰になっていること。だからギリギリ間に合って良かった!

ここで先に、今回の写真のタネ明かしをするとこんな感じです。

ポイントは光と影の境界線。太陽の光が白いデッドフレイと砂丘の境目に来る一瞬、背景となる砂丘にのみ太陽光があたっていてオレンジに、白いデッドフレイだけが影になっていて青く見えます。
でも問題は木がありすぎること!

しかも微妙に重なっていて、どの木を選んで、どんな距離で、どんな画角で撮るかを選ばなくてはいけません。
全然時間が足りない!!!
撮影ができる時間は体感でしかないけど、3分後からの1分間ほどのみ。

3分後に迫った本番に向けて、とにかく走り回って構図を探り試行錯誤を重ね美しく見える木を絞り込んでいく。
急げ!時間がない!
あとはどの距離から撮るかを調整していきます。あとはもう自分の決断を信じるのみ!
そして太陽の光が、デッドフレイと砂丘の境目に来たその一瞬。

イメージしていた絶景がカメラのディスプレイに写った。
ファインダー越しに見たあの景色と同じく、何度見ても不思議な写真だった。
いやもうめっちゃ嬉しかったよね。
ミッション、クリア!
最後は大砂丘からの絶景
さて、最後はここでの観光名物・デッドフレイの真横にある大砂丘に登って駆け下りるアクティビティ!

なにこの超絶高い砂丘。

登っていきます。

この大砂丘に登っている時の景色がかなりお気に入りでした。


眼下にはデッドフレイ。

地平線まで砂漠が続く。




最後はカメラをビニールにしまい、転んでもいい準備をして、靴も脱いで、一気に駆け下ります!

駆け下り出したら、どうあがいても止まりません。最初はかなり怖かったけど、途中から楽しくなり、気づけば一瞬でデッドフレイに着きました。

これ超楽しい!昇るの超大変だから二度とやりたくないけど・・・
なんて思ってたら、ちょくがケータイをどこかに落としてそうで、もう一度頂上まで登ってました。笑

この時、めっちゃ喧嘩しました。望遠で稜線を覗くと、しょぼくれたちょくがトボトボ歩いてる姿が。

可愛そうだから降りたら仲直りしようと思いました。

もう離婚の危機かってくらいに喧嘩してたんだけど、なんとかここまで仲直り。笑

メソメソしていたちょくだけど、おふざけするまで元気に。おめぇ、ホント単純だな・・・
そしてシャトルカー乗り場に戻ったら奇跡が。

なんとどこかの誰かが、砂に埋まっていたアイフォンを見つけて届けていてくれました!!!!
というか嬉しい以上に、広大な砂漠でケータイ無くしても戻って来たことに驚いた。見つけた人、超人なのかな?
ということで、撮りたい写真も撮れたし、ケータイみ見つかったし、ナミブ砂漠観光、これにて終了!!!

あとは砂漠を走れるだけ走って、明日にはナミビアを脱出し、南アフリカ方面に南下する。

たった数日だけだったけど、ナミビアの旅は山あり谷ありな感じで本当に楽しかったな。
世界一周しなかったらナミビアなんて来なかっただろうし、それにもう二度と行かないとも思う。でも絶景や自然の不思議が詰まった素晴らしい国だった。
ナミビア、最高でした!南アフリカに行くなら、是非一緒に行って欲しい場所です。
今回撮った写真の後日談
東京でトークライブをした際に今回撮ったデッドフレイの写真を含め、額縁入りで大判(A3サイズ程)の写真を展示・販売しました。

すると額縁入りA3サイズで5000円はするにもかかわらず、みんなこのデッドフレイの写真を一番多く買ってくれたんです。
「自分が撮った作品を買ってもらえる」。カメラマンとってこれほどの報いはないと思います。頑張って良かったなと思いました。
もちろん今でも販売中ですので、ご希望の方はコメントなりメールなりでご連絡ください。額縁入りはA3サイズで5000円、ワイド6切(A4より一回り小さい)で3500円、送料は別です。
さて、お次は南アフリカに戻り、巨大な洞窟やダチョウ見物、ケープタウンと巡っていきます!お楽しみに!
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