ちょくです!
エジプトの首都・カイロに滞在中のおだやんとちょく。
この日はとある式典に参加して来ました。(私たちのブログは7ヶ月のタイムラグがあるため、今年3月の出来事を今お届けします)
3.11東日本大震災の追悼式典へ
2017年3月12日
カイロに戻ってからは割とのんびり過ごしている私たち。
数日後にはエチオピアへ飛ぶ予定だから、これから始まる本格的なアフリカ縦断に向けて精気を養おうと美味しいものを食べたりを情報収集したりしている。
楽しみで楽しみで仕方なかったアフリカ。エジプトもアフリカなんだけど人や文化は中東なので、まだ「アフリカに来たぞ!」という感じはない。エチオピアに行ったらガッツリTHEアフリカを肌で感じるのかな。
でもその前に、あと数日のエジプトを楽しむぞ!
・・・
さて、特に予定のなかったこの日。
調べ物をしていたら、宿泊している宿「サファリイン」の隣の部屋に住んでいるトランペット奏者・堀江さんからあるお誘いがありました。

「君たち、今日僕とデートしない?」
「え?いや・・」
「おっと間違えた。実は今日ね、東日本大震災の追悼式典があるんだ。良かったら一緒に行かないか?」
この日は3月12日。
東日本を襲ったあの大震災を追悼する式典がカイロで開催されるとのことで、堀江さんも招待されているそう。この式典は在エジプト日本大使館主催でチケット制なので本来私たちのような旅人は入れないんだけど、堀江さんのご好意で大使館の方にお願いして数人分のチケットならゲットできるとのこと。
まさか日本から遠く離れたエジプトで追悼式典が行われるなんて思いもよらなかったので驚き。そしてとてもとても嬉しい。
もちろん「行かせてください!」とお返事。
堀江さん、私たち夫婦、宿に泊まっていた2人の旅人、計5人で式典に参加することに。
式典は正装で出席するため、男性陣は堀江さんにスーツを、私はパンプスを借りて参加。
「なんで堀江さんがパンプス持ってるの?やばい趣味でもあるの?」
と心配の方に補足すると、堀江さんはカイロ歌劇場管弦楽団に所属するプロのトランペット奏者で、自身が演奏するオペラに度々旅人を誘ってくれている。オペラはドレスコードがあるんだけど旅人は普段スーツやドレスを持ち歩いていないので、旅人用に貸し出し衣装を持っている。(私たちがオペラを見たときの記事はこちら)
というわけで堀江さんは変態ではないですよ。会話の9割りが下ネタだけど。
日本語が飛び交う待合室
そんな旅人に優しい堀江さんと、式典のある会場まで向かう。



歩いて向かったのは、カイロ中心部にあるエル・グムフリーア劇場。


テロ対策で中は厳重な警備。緊張が走る。

これがチケット。

全く読めないけど、右上の桐紋が日本が関係してるんだなと思わせてくれる。
今回の式典は〜Egypt and Japan in One Heart〜(エジプトと日本、心一つに)というイベント。日本への愛が伝わってくる。
待合室では日本語が飛び交っていてビックリ!日本語を勉強中の学生たちが片言の日本語で話しかけてくれて嬉しい。日本大好き!っていうオーラを感じる。
そんな中、すごい方が堀江さんのところへ。

写真左に写っている女性は水谷川優子さんという日本のチェリスト。音楽一家に育った水谷川さんはなんと公家華族・水谷川忠麿のお孫さん。世界中のコンサートで演奏している方で、今日はチェロで文楽を演奏してくださるそう。
今回のイベントは日本の復興を願う10団体がそれぞれ合唱をするというもの。どんな合唱なのか楽しみでもあり、日本人としてしっかり受け止めなくてはと緊張もする。
間も無く幕が開けるので、席へ。

立派なオペラハウスにビビる。天井やばい。

入場時にもらったパンフレットには、本日の演目の他に歌詞カードが入っていた。

東日本大震災の復興を応援するチャリティソング「花は咲く」。
日本語歌詞の横にはアラビア語歌詞が並んでいる。最後に合唱があるのかな。
涙が止まらない!感動の合唱
日本とエジプトの国旗がスポットライトに照らされて開演。

香川大使のスピーチから始まった。日本語とアラビア語でのスピーチ、素晴らしかったです。

10組の合唱の前に、600人の観衆全員で被災地に向け黙とう。
一組目の合唱は「海の声」。

“海の声よ 風の声よ
空の声よ 太陽の声よ
川の声よ 山の声よ
僕の声を 乗せてゆけ”
久々に聴く三味線の音と子供達が歌うその姿に・・・
涙腺崩壊。
そのあとも、「私にできること」「明日という日が」「世界に1つだけの花」など続く。日本の歌を一生懸命歌うエジプト人の姿にただただ心打たれる。



中にはダンスをしながら合唱する団体も。振り付けがこってる!



そして、彼らの歌声がどれもこれも心に響く。
“一人じゃないよ 何もできないけど
辛い時こそ 誰かと支え合って
がんばってほしい 乗り越えてほしい
届いてほしいこの気持ち あなたに贈る歌
困った時にはかわりばんこに 励まし助け合いたい
だから今歌うよ 私にできること”

“明日という日がくるかぎり
自分を信じて 幸せを信じて”

中島みゆきの「糸」という曲を歌った団体は、エジプトと日本の国旗を掲げる演出。

“縦の糸はあなた(日本の国旗をあげる)
横の糸は私(エジプトの国旗をあげる)
織りなす布はいつか誰かを
暖めうるかもしれない”
なんという演出・・・
涙で前が見えない・・・
そして最後はみんなで手を繋いで、

「つながろう日本!」
会場に響き渡る大きな声で、そう叫んでくれました。
東日本大震災から6年。
まさか遠く離れたエジプトで、こんな応援をもらうなんて思ってもみなかった。エジプトの人たちが、日本のことをこんなに想ってくれていたなんて知らなかった。
大丈夫
がんばろう
想ってる
一人じゃないよ
そんな言葉を歌うエジプトの人たちをみて、目頭が熱くなりっぱなしだった。
日本のみなさん、届いていますでしょうか。
エジプトの人たちは、東日本大震災を忘れていません。全力で応援してくれています。
「花は咲く」で会場が一つに
10組の合唱が終わり、チェリスト水谷川優子さんが一人ステージへ。

チェロ1本で「文楽」の生演奏。大迫力で圧巻の一言。
最後は出演者が全員ステージに集合!
観客も全員起立し、会場全体で「花は咲く」の大合唱!!

“誰かの想いが見える
誰かと結ばれている
誰かの未来が見える
悲しみの向こう側に
花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
私は何を残しただろう”
なんと、オペラ歌手も一緒に!オペラ歌手の「花は咲く」が尋常じゃない声量と迫力と声の伸びで、ど肝を抜かれました。あんな花は咲く、初めて。
会場が一体となった、感動的な大合唱。
とても温かい時間でした。
今回出演して歌ってくれたみなさん、本当にありがとう。
堀江さんと夜ごはん
イベントのあとはみんなで夜ご飯へ。

向かったのは堀江さんオススメのバーガー屋さん。

今回、こんな素敵なイベントに招待してくれた堀江さんには本当に感謝。

堀江さんは会話の9割は下ネタだけど、日本とエジプトの架け橋になれるように日々尽くしてくれている。
エジプトは「世界三大うざい国」なんて言われているけど、それはピラミッドなどの観光地だけ。堀江さんは表面だけでなく、ディープなエジプトをもっと日本人に知ってもらいたいと旅人をいろんなところへ案内してくれている人。私たちも堀江さんのおかげで、いろんなエジプトの一面を見ることができて感謝しています!
・・・
みんなで座って色々注文!
っていうか買ったマンゴージュースが果肉たっぷりで美味しい!なんだこれ。

香ばしく焼かれたソーセージがどーんなやつ。すごい肉肉してる!

5人分ともなると、すごい量!

バーガーとホットドッグはすごい肉感でした。
付け合わせのピクルスはやっぱり美味しい。ポテトも久々で美味しかったー!
・・・
ひょんなことから参加させてもらった東日本大震災追悼式典。
日本のことを大切に想ってくれている人たちがこんないるということを知ることができて良かったし、その想いにお返しできる人間になりたいな、と思った。とても貴重な経験になりました。堀江さん、ありがとうございました!
追記:このイベントは産経新聞の記事にもなっていました。気になる方は→こちら!
続く!
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