ちょくです!
昨日はホテルエベレストビューでゆっくりしたおだやんとちょく。
高度順応のための休養を終えいよいよ今日ナムチェ出発と思いきや、2人に災難が降りかかる・・・
地震で目覚める朝
【Day10】11月28日(曇り)Namche(3440m) 療養日
高度順応のためにナムチェに2泊している、おだやんとちょく。
昨日は「ホテルエベレストビュー」にお茶をしに行ったり、靴を修理したり、とても充実した一日だった。
そして10目の今日はナムチェを出てティンボチェへ歩みを進めるはずだった。
がしかし、朝から大変なことになる。
・・・
早朝5:30。
ガタガタガタガタガタッ
という揺れで目が覚めた。
「おだやん、地震!」
泊まっている宿が木造のロッジだからか、激しい揺れを感じる。
部屋全体がミシミシ言っていて、なんか音がヤバイ!
「結構揺れてる!」
地震には慣れてるけど、ある光景が脳裏をよぎる。
2015年のネパール地震。
これまでのトレッキングでも、倒壊した家をたくさん見てきた。地滑りした山も見てきた。
またあのレベルの地震が・・・?
とりあえず布団に包まって揺れが収まるまで待ち、その後動き出す。
「窓とドア開けて!」
「靴下履こう!」
さすが日本で生まれ育ったからか、意外と冷静に対処出来てる自分たちがいて内心「慣れって凄いなぁ」と思った。
でもやっぱり揺れが強かったから結構怖い。もしこれが余震で、本震が控えていたら・・・
心臓がバクバクいっている。
泊まっていた部屋は3階だったので、荷物を適当にまとめてひとまず外へ。

まだ真っ暗だけど、地震でほとんどのロッジの電気が付いていた。ナムチェの街がざわついている。
外にはすでにオーナー老夫婦、息子さん、そして宿泊客の西洋人トレッカーが2人。
西洋人の2人は地震事態が初めてらしく、若干パニック状態。「どうしたらいいんだ?!」とソワソワしている。
そして、このときの光景で忘れられないのが、宿のお父さんお母さんのとても不安そうな顔。
そりゃ、前回の地震からまだ2年も経っていないんだから無理もない。
安易に「大丈夫」なんて声も掛けられず、私たちも静かにその場に座った。

外で彷徨う人々
もうひとつ、忘れられない光景。
それはナムチェに住む村人の行動。
ナムチェは山の斜面に作られた町で、その中央には少しだけ広場があるんだけど、
そこに布を広げて座ってる家族が何組もいた。
パッと見た感じは暗闇でピクニックをしているようにも見える。
前回の地震では建物が倒壊し、瓦礫の下敷きになって命を落としている人もいる。「家は危険」と、感じているのかもしれない。
日本の家やビルは耐震が凄いけど、ネパールの建物は耐震対策なんてほとんどされていないから、確かに怖い。
沢山の毛布にくるまって、肩を寄せ合いながらビクビクしているネパール人を見ると、何だか胸が痛くなった。
おだやんから卵臭…?
30分ほど外にいたんだけど、さすがに寒い。余りの寒さに耐えきれず、みんなでリビングへ。
30歳後半くらいの息子さんが無料でミルクティーを出してくれて、みんなで温まる。優しさが沁みる。
息子さんがテレビをつけると地震速報が流れていて、震度3〜4位だった。記憶が曖昧だけど、え、そんなもん?ってくらいの震度。
でも体感はもっと大きく感じたから、やっぱり家が脆いんだろうな。
みんなから日本の地震のことを聞かれて話すと、とてもビックリしていた。
東北の地震のことは世界ニュースで誰でも知っている。その時のことや、日本の地震対策、避難訓練の話をすると、目を丸くして興味津々。日本がいかに地震大国か、話していて実感した。
そんなことを思っていた時、おだやんに異変が出始めた。
「寒気がする・・・」
しばらく外にいたから、身体が芯から冷えてしまったみたい。ありったけの衣類を着る。
それでも震えは止まらない。
そして、そのあとには、
「お腹が痛い・・・」
うずくまって苦しそう。トイレに行くと、下痢。
おだやんはこう見えて結構お腹が弱くて、社会人時代なんてほとんど下痢だった。下痢は日常。
だからおだやんが下痢ってあまりビックリすることではないんだけど、この日はちょっと様子がおかしい。
顔色は悪いし、気持ち悪いと言ってる。これは何かの病気かもしれない。
そして、その異変は匂いに現れた・・
「あれ?おだやんオナラした?」
「してないよ!具合悪いのに、なんでそんなヒドイこと言うの」
「いや、でもめっちゃ臭いよ」
「オナラなんてしてない・・」
「え、じゃこの卵の腐ったような臭いは何・・あ、あ、ああーー!」
「ちょくヒドイ、俺オナラしてない」
「卵ゲップ病かもしれない!!」
思い当たる病気があった。
おだやん、卵ゲップ病に
そう。オナラじゃない。
おだやんから出てくる異臭はお尻からではなく、口から出ていた。
思い当たったのはジアラルジア症、別名「.卵ゲップ病」。
エベレストトレッキングのことを調べていたときにたまたま知った病気で、水や食事から感染する胃腸炎らしい。
トレッキングに行った人が発症し苦しんでいる記事を見かけたことがある。
「これはただの下痢じゃないぞ!」
今日はトレッキング中止!ナムチェで安静じゃ!
おだやんを部屋で寝かしつけ、携帯と財布を持って急いで外に出た。
まだ外は人が彷徨っていたけど、個人的にはもう地震どころじゃない!ごめんなさい!
だって、
おだやんが病気や!!
昨日Wi-Fiをしたカフェに入ろうとしたけど閉まっていたので門の前でWi-Fiをキャッチ。
早速調べる。
ジアラルジア症とは
ジアルジア症はひどい下痢と腹部の痙攣を特徴とする胃腸炎である。鼓腸、膨満、疲労、吐き気、嘔吐、体重減少などを伴うが、患者によっては吐き気や嘔吐が主症状となることもある。病原体を摂取したあと、7日から10日程度の潜伏期間を経て症状が出る。これは2–4週間でおさまるが、乳糖不耐症の場合には6ヶ月続くこともある。程度は様々で、無症状キャリアも多い。自然治癒するが、免疫不全の場合には慢性化し胆嚢・胆管炎を併発することが多い。
特にインド周辺を旅行した者の感染が増えており、旅行者下痢症 (traveler’s diarrhea) の1つとして注目されている。南アジア、東南アジアなどを旅するバックパッカーの間では、ゲップが卵臭くなることから卵ゲップ病として知られる。ーwikipediaより
ちょいちょいちょい。
下痢の症状に加え・・・
ゲップが・・・
卵臭くなるだと・・・??
やっぱりこれだあああー!
病院で診てもらったわけではないから断定は出来ないけど、間違いなくジアラルジア。症状ドンピシャ。
潜伏期間があるから、カトマンズかシバラヤで食べたものが原因かな?
必要な薬も調べ、次は薬局へ。
薬局で薬購入
病気は辛いけど、ナムチェで発症したのは不幸中の幸いとも言える。
なぜならナムチェには薬局が数件あり、トレッカーがよくなる病気もちゃんと把握していて下痢用の薬も何種類かあるから。
これがナムチェ以外の村だと、薬局なんてないから辛すぎる。
ただ、ナムチェで買うと高いから、一番良いのは日本やカトマンズで薬を買っておく事。ジアラルジアの薬はカトマンズでも売っているから、念のため買って置いた方が安心かも。たいして重くないしね。
さて。
薬局に行った私はかなり焦っていて、値切るのを忘れて薬を言い値で買ってしまった。
しかも、あれもこれもと沢山買ってしまった。まさかのナムチェで散財。
普通の下痢用薬10錠650ルピー
整腸剤10錠650ルピー
ジアラルジア用薬10錠650ルピー
高山病の薬10錠500ルピー
ポカリみたいな粉6袋900ルピー
合計=3350ルピー
ひぇー。
でも、健康第一!
お金を惜しんでる場合じゃない!
今度はちょく嘔吐
え、おだやんだけじゃないの?
はい。そうです。
宿に戻っておだやんに薬を飲ませたらなんだかホッとして、そしたらドッと疲れてきて、寒気がしてきた私。
そういえば酸素が薄い場所で急激な運動をすると高山病にかかりやすいから走っちゃダメっておだやんが言っていたのに、薬を買いに走ってしまった。
これは、高山病かも?
高山病には水を沢山飲むべし、とも言っていたので沢山水を飲む。
ガブガブ飲む。
そしたら水の飲み過ぎで嘔吐!
だ、ダサい・・でも辛い!高山病ではなさそうだけど、寒気がすごくてダルい。もう何も出来ず寝込む。しかも下痢も発症。
もうダメだ・・・
こうして標高3440mのナムチェで、夫婦2人でダウン。
寝込んでいる部屋の中はおだやんがゲップするたびに卵の腐敗臭で充満し、地味に辛い(笑)
でもあまり大袈裟に換気をするとおだやんが傷つくので、下痢のおだやんがトイレに駆け込むたびに窓を開けた。
おだやんはこう見えてとても繊細なのです。見た目とのギャップ!(笑)
愛溢れる「ダイコン」
おだやんは卵ゲップ病、ちょくは体調不良で夫婦して寝込む。
夜になり、2人とも一切食欲はないものの何か食べないと、という事でリビングへ。
宿のお父さんお母さんに具合が悪いことを伝えると凄く心配してくれて、「ダルスープとライスが良いから、少しでも良いからたべなさい」と用意してくれた。
で、どうにか食べようとするんだけど、2人とも全然食べられない。
全くと言っていいほど、進まない。
ダルスープ好きなのに・・・
ああ、お粥が食べたい・・・
雑炊が食べたい・・・
辛いよう・・・
うう・・・
「ダイコン」
え・・?
「ダイコン」
振り返ると、宿のお母さんが小鉢を持って立っていた。
小鉢には大根おろし。
醤油がかかっている。
「具合が悪い時は、母国のものが一番食べたくなるでしょう?
だからね、ダイコン。」
決して英語は得意ではなく、日本語も話せないお母さん。
でも、愛情が小鉢に溢れてた。
具合が悪くて対した返事も出来ないけど、感動して涙が出そう。
そして一口食べてビックリ。
マ、マジで大根おろし!!!!
これまた不思議なことにダルスープは全然食べられなかったのに、大根おろしは進む進む。
ううう、美味しい・・・
食べられる・・・
お母さんの優しさと大根おろしが弱った身体に沁み渡る。
おだやんと感動しながら大根おろしを平らげ、少しだけ元気になった気がした。
あとから知ったけど、この宿には日本人のお得意さんがいるらしく、彼らから大根おろしを教えてもらったそう。
でもまさかお母さんから「ダイコン」って言葉が出てくるとは。嬉しかったなぁ。
お母さん、ありがとうございました!
ただ、下痢はとまらない。
翌朝も体調不良なら、少し下山しようかと話し、寝た。
その夜は2人とも下痢のオンパレードであまり深い眠りにはつけなかった。
明日はどうなることやら・・・
続く!
使ったお金
【朝飯】ジャムトースト(270rs)ジャムパンケーキ(290rs)ミルクティー(80rs)ジンジャーレモン(75rs)
【昼飯】ベジスープ(260rs)ジンジャーレモン(75rs)
【夜飯】ダルスープ2つ(300rs)ライス2つ(500rs)ジンジャーレモン小ポット(300rs)ブラックティー(70rs)
【薬代】下痢薬を10錠(650rs)整腸剤10錠(650rs)ジアラルジア薬10錠(650rs)高山病の薬10錠(650rs)ポカリ風粉末6こ(900rs)
【その他】水1ℓ4本(400rs)トイレットペーパー4つ(400rs)
【宿代】200ルピー
この日の日記
おだやん
眠りが浅く、起きると地震。すぐにパッキングして外へ。街は少し騒がしくなる。オーナー夫婦や西洋人と外で話す。その後、胃痛→卵ゲップ→下痢→寝込む。その後ちょく看病。寒気が酷かった。夜、マシになる。この日は曇っていて寒かった。
ちょく
むにゃむにゃしていたら地震がきてビックリ。家がレンガ造りだからか、音が凄い。ミシミシ言っていた。その後、ドアを開けたり靴下履いたりテキパキ動く。さすが日本人地震慣れしてる。リビングで横になっていたらおだやん胃痛でダウン。卵臭い。私も寒気で吐く。辛くて帰りたくなるが、夜、宿のお母さんが「ダイコン」って大根おろしを出してくれた。嬉しい。
これからっていう時に地震と病気で大変でしたね。私も最低限の薬はいつも持参しています。こういう時に宿のお母さんが親身になってくれるって有難いことですね。
akakuroさん
高山病ばかり気にして、まさか山の中で体調不良になるとは思っていなかったので辛かったです…宿のお母さんには本当に素敵な方でした!