子どもの頃の夢は、ドラマ「お金がない!」の影響で商社マンでした。
おだやんです!
子どもながらに、30歳の自分はきっと丸の内のオフィス街にあるオシャレカフェで美人OLとカプチーノを飲んでマンマミーアするんだ!!なんて夢見ておりました。
しかし30歳になった自分は今、腰痛といぼ痔に悩まされながら地球の裏側パラグアイを汗と砂ホコリまみれでながら旅しています。
人生、本当に何があるか分からないものですね…
美人OLとカプチーノでマンマミーアする夢は叶いそうにありませんが、代わりに日本語以外の4ヶ国語で「トイレはどこですか?」と言えるようになりました。慢性的に下痢気味なので大切な言葉なんです。
さて、インド、リシケシュに滞在中のおだやんとちょく。この日は街をぶらぶらした後、基礎的なヨガ「ハッタヨガ」の講習に行ってきました。それがまさかの狂気じみたヨガ教室でした・・・
アーユルヴェディックな街
2017年2月16日
2月のインド北部はダウン無しじゃやっていけないくらい寒い。朝は日本の晩秋くらいにヒンヤリしていて、なかなか布団から出られない。
リシケシュ滞在も今日が最後なので、ヨガの聖地で習うヨガもこの日が最後。
最後のヨガ教室の時間まで、リシケシュの街をぶらぶらしてみる。
道行く牛も見慣れた。
本当にあちこちにヨガ教室がある。
ヨガの先生育成コースがある教室もたくさん。
確かに、「私は本場リシケシュで修行しました!」って言えると信憑性増すよね。
リシケシュには本屋もたくさんある。
もちろんヨガや瞑想、アーユルヴェーダに関する書物ばかり。
リシケシュに来て、スピリチュアルな話にも免疫がついてきた。今なら波動とかチャクラとか信じられる!
だってリシケシュにいるヨガの先生や外国人生徒は普段の会話で「チャクラがさぁ…」なんて話してるんだもん。
最初は「チャクラチャクラってお前ナルトの読みすぎか?」なんて疑いまくってたけど、今なら「俺も今日さ、割とチャクラ全開なんだよね〜」的な会話にも混ざれそう。
日本でもスピリチュアリズムが浸透してきたら社会人ももっと楽になるんじゃなかろうか。
「副部長!今日僕、チャクラ開かないので残業できません!」
「俺のチャクラ分けてやるから例の企画書、今夜中に書き上げろ!」
やっぱダメか…
・・・
アーユルヴェーダの治療医院もたくさん目に付く。
そしてアーユルヴェーダ系の薬局も。
これは中国でいう漢方薬局みたいなもの。中でもHimalayaは有名なメーカーで若い女子に人気らしい。
スピリチュアルな雰囲気が漂うリシケシュでは、よく見かける壁画がある。
それがこのドレッドヘアー姿の男性。ポスターや壁画によく載っている。
この人は、スピリチュアルな分野では世界で一番有名と言っても過言じゃない、ムージー氏というお方。リシケシュでは毎年2月にヨガフェスティバルというお祭りが開かれ、彼はそこで毎年講演をするんだそう。
彼の涙が出るほど深〜い講話を聴こうと、世界から信者(ファン?)が集まるため、2月はリシケシュ中のホテルが満室になるらしい。
スピリチュアルレベルがまだまだな俺にとって、この街は全てが謎すぎる。
ちなみに一番謎なのはムージー氏がジャマイカ出身だということ。
え?ジャマイカ…
もう謎オブザ謎。
1ヶ月近くリシケシュにいるけど、ヒンドゥー教やヨガの精神世界が深すぎて、もう全然理解が追いつかない。
なんなんだこの街は!
昼は日本食カフェ・おかえりへ。
この日はこの店で一番人気のジャパニーズターリーを注文!180ルピー(=306円)。
味付けが懐石料理みたいに繊細。なんというか、「あ、俺健康になるわこれ」みたいな気がしてくる。
というか肉無しなのにプレートをここまで豪華に出来る料理人が凄い!
そしてきなこ黒蜜の豆乳プリンがヤバい。ひとつ40ルピー(=68円)。
もうこれさえあれば、一生他のスイーツ食べなくていいくらい美味い!
そして投入プリンを1つずつ食べたのにこのヨーグルトフルーツパフェも注文!小がひとつ40ルピー。
健康に配慮されてる感がたまらない!
リシケシュでのベジタリアン生活が長すぎるせいで、俺の思考が「健康食品にハマったOL」みたいになってて怖い。
社会人時代は「は?フルーツ?とりあえずイカの塩辛と酒!」な感じだったのに…
もう思考が健康思考の乙女だから、通りで売ってるフルーツも食べちゃう。
パパイヤのフルーツサラダ。
なぜかキュウリが混ざってる。東南アジアと同じように、これに塩と唐辛子をかけて食べる。
うん、塩も唐辛子もいらない!
パパイヤを食べながらちょくと女子トークしてると、あっという間に日が暮れてきた。
この見慣れた景色も見納め。
いろんなことが初体験のリシケシュだった。
だけど本当の初体験はリシケシュ最後の夜に待っていた。
狂気のヨガ教室
この日はちょくが気に入って通っていた外国人に人気のヨガ教室、オムシャンティオムへ。
この教室には10回回数券があって1500ルピーと超お得。ちょくが10回回数券を買って通っていたから俺もその回数券で参加した。
この日、この教室ではヨガの超基本となるハタヨガ(基本的なポーズをゆっくり繰り返すヨガ)のクラス。教室は横の人と腕が当たるくらいに超満員!
ヨガの内容は、普通より少しキツイ感じで特に変わったことはなかった。でも終わったあとインナーマッスルがつりそうなほどにはキツかった。
で、問題はここから。
ヨガの後ってだいたい短めの瞑想もセットになっていて、ここでもヨガが終わって瞑想の時間になった。すると別の瞑想専門のヒッピー的な姿の先生がやってきた。
先生「今日はヴィッパサナー瞑想をやります。まずは目を閉じてウンタラカンタラ・・・」
ヴィッパサナー瞑想ってたまに噂で聞くけど、日本人には10日間寺院に閉じ込もって誰とも話さず目も合わさず瞑想しながら生活する究極の瞑想法として有名なやつ。ちなみに日本だと京都と千葉にある日本ヴィパッサナー協会のセンターで体験できます。
でもどうやらヴィッパサナー瞑想=10日間閉じこもって・・・という訳ではないらしく、外界や他人との間に壁を作って瞑想に集中する方法もあれば、歩きながら瞑想する方法もあって様々らしい。要は「ものごとをありのままに見る」ための瞑想。瞑想は説明が難しいのでよく分からない方はwikipedia(ヴィッパサナー瞑想)でも読んでみてください。(読んでも怪しげな用語が多すぎて意味不明ですが)
で、ここの教室では最初あぐらをかいて瞑想していたんだけど、途中先生から「では瞑想したまま立ち上がって、教室を歩いてください。そして誰とも目を合わせないように。」と指示があった。慣れないながらも下を向いたまま狭い教室内をゆっくりと、あくまで瞑想しながら歩く。
25人くらいが小学校の教室の半分ほどの部屋を下を向いたままウロウロする様子はまさに狂気だった。普通にぶつかってしまう。でも喋ってはいけないし目線も合わせてはいけないから、ぶつかってもそのままスッっと歩き続ける。
視線はずっと下を向いているから、教室内をユラユラとうごめく25人ほどの下半身しか目に映らない。
例えるならまるで、幽霊のモノマネ選手権!予選会場みたいだった。
でもあくまで呼吸に意識を集中させながら、頭をよぎる雑念や思考を追わないようにし、かつ歩き続けなきゃいけない。これほど難しいことはなかった。これはたぶん、瞑想はあぐらの状態だけでなく、日常の様々な状況でも可能にするための瞑想法なんだと思った。
ちなみに後で聞いた話では、ちょくはこの時瞑想状態に入って感極まって泣いてしまったらしい。すげえな嫁。やべえよ嫁。
さて、ここまではプチ狂気で済んでいた。
しかしここから、瞑想初心者の俺には全く意味不明の状況へ入っていく。
先生「これから音楽を流します。みなさん、思い思いに踊ってください。これも瞑想です。」
踊る・・だと・・・
数人の生徒は「いつものやつね〜オッケー☆」って感じだったけど、ほとんどの生徒が初めてだったらしく、「え?」って感じでポカーンとしていた。
そしてすぐに音楽が始まった。
「ズンチャッズンタララチャッズンタラララチャッ♪」
やばい。
シタールの音が入ったインド舞踊の音楽かと思いきや・・・
レゲエとポップを融合させたようなダンスチューンが鳴り響いた。
え?そうきます??
戸惑いを隠せないのは俺だけじゃ無いはず・・・
でもみんな真面目にヨガや瞑想を習いに来た生徒ばかりだから、少しずつ踊り始めた。
最初はみんな恥ずかしがって小刻みにリズムをとるくらいだったんだけど、みんな「きっとこれは素晴らしい瞑想なんだ!」と信じ始めたのか、羞恥心を捨てがむしゃらに踊り出した。
狭い空間で大人が25人、がむしゃらに無心で踊り狂っている。しかもその踊り方はみんな全くバラバラ。クラブ的なダンス、ロックミュージシャン的なダンス、中にはロボットダンスをする人も。
やばい。
この瞑想やばい。
内心、もしかしてこの先生ふざけてるのか??とも思ってしまうほどの光景だった。
最後はよくクラブやライブで見かける、みんなで拳を築き上げて声を合わせて「ハイッ!ハイッ!ハイッ!」と叫ぶやつが始まった。
何これ。
もしかして終わった後何かの勧誘とかされるヤツ?ちょっと怖い。
もともと俺はスピリチュアルなことなんかクソだ!くらいにしか思っていなかったんだけど、リシケシュに来てからの1ヶ月間、自分なりに頑張ってヨガや瞑想への理解を深め、こういう世界もあるんだな〜と理解しかけていたところだったのに・・・
なんというか、この日のぶっ飛んだ瞑想は軽々と俺の理解を超えてきた。
もう意味が分からなかったし、みんな瞑想状態で踊り狂っているから恐怖心すら感じた。宗教やスピリチュアルなものに全く免疫が無い人が見れば、狂気じみた新興宗教にしか見えないと思う。
これって俺だけ未熟だからこう感じるだけ?
瞑想の最後の方で先生が一言。
先生「みんな!『Be Happy!』って叫ぼう!叫ぶんだ!Be Happy!」
生徒達「「「Be Happy!Be Happy!フゥーーー!ッホゥーーー」」」
・・・・・
俺「ビィーーッハッピィーーッ☆オーーイエーー!!フゴフゴ!!」
終わった直後、みんなが「おつかれッしたー!!」って感じで帰って行く中、俺はしばらくポカーンとしていた。
でも多分考え過ぎちゃいけないんだろうな。これで良いんだ!
こちらがヨガの先生(瞑想の先生とは別です)。
リシケシュ最後のヨガ&瞑想教室で、狂気の瞑想を通して大事なものを失った代わりに、ハッピー的な何かを得られた気がした。
・・・
帰り、おやつとしてヨガ教室近くのモモ屋台へ。
1皿50ルピー。
もう全く餃子と同じ。でもリシケシュでは肉は禁じられてるから肉は無し。でも十分美味しかった。うん、ハッピー!
・・・
その後、ちゃんとした晩御飯を食べにTattv Cafeへ。
薬局The Organic Storeの2階にあって、店に行くには薬局店内を通る必要がある。初めて行く人には分かりにくいかも。
Aloo Gobhi(カリフラワーとポテトのカレー、チャパティ付)、140ルピー(=238円)。
ローカルの食堂よりも高いだけに美味しい!
そしてAgli Spinaci(ほうれん草のラザニア)、220ルピー(=374円)。
これなんか現地人からしたら高級料理!めっちゃ美味しい!チーズがあれば肉なくてもイケる!ハッピー!
ご飯を食べて落ち着いたら、何にでもハッピーと言ってしまうハッピー病は治った。
そのあと、リシケシュ最後の夜だということで愛犬・龍之介の元へ!
やばい!可愛い!
1ヶ月毎日会ってると、さすがに覚えてくれてて俺たちが近寄ると走って駆け寄ってくる。
店の人からは「この犬欲しいならあげるよ?」って言われてたんだけど、さすがに旅には連れていけない。
だからこれがリュウと過ごす最後の夜。思わず抱きしめて温めてあげる。
これから寒い冬をちゃんと越せるだろうか・・・他の野良犬にイジメられ無いだろうか・・・もう心配が尽きない。上京する子どもを見送る両親の気持ちが分かった気がした。
帰り際「明日の朝、リュウと別れるのはさぞ辛いんだろうな・・・」なんて考えながら横を見ると、ちょくはちょっと泣きそうになってた。
瞑想、にリュウとの別れと激しく感情を揺さぶられたインド最後の夜となった。
さて明日はエジプトへのフライトのためにデリーの空港へ移動するため、インド最後の日となる!
そこでちょくがあまりの辛さに号泣することに・・・
続く!
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